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淹れたてのココア ページ10

佐「大変だったよね、これどうぞ」


そう言ってホットココアを出してくれた


ここ私の家なんですけどね…勝手に漁られたのでしょうか、なんてツッコミはさておき


「ふふ、ありがとう…」


佐久間さんの淹れてくれたホットココアを飲む

体が温まって少し落ち着いた


佐「体調はもう平気そう?」

「そう、ですね…かなり」

佐「そっか。それなら安心した笑」


佐久間さんはカーペットに正座をしたまま深呼吸を一つ


「佐久間さん…二つ聞いていいですか?」

佐「ん、およ?佐久間さんに聞きたいこと…?」

「あの…阿部さんは大丈夫そうでしたか?」

佐「あー。Aちゃんは優しいね」


返ってきた言葉は質問の意図と全く違った


「え?優しい…?」

佐「うん。阿部ちゃんね、元気取り戻してたよ」

「そ、そうですか…よかった笑」


こんな私で役に立ったんだ。…なんか嬉しいな


佐「あっ……、すごくね」

「…ん?」

佐「Aちゃんに感謝してたよ、"Aさんのおかげだ"って」

「えっ、えっ…そんな褒められると照れます」


思わず恥ずかしくなって俯いた


佐「んふふ、顔上げて」

「んにゃ!?」


佐久間さんの手が触れ、俯いた顔を上がる。途端に彼と目が合いおかしな声が溢れた


佐「それで…もう一つ聞きたいことあるんでしょ?」

「あ、あ、そ、そうです!!」

佐「んもう、動揺しすぎ笑」

「そ、その…吸血鬼っていつもあんなに飢えてるんですか…?」


さっき見た阿部さんの表情といい言動といい


佐「ん〜、あそこまでは異常かな?常にってわけじゃないよ」

「阿部さんは異常だった、ってこと?」

佐「うん…笑、暴走寸前だったからね」

「暴走……ってなんですか?」

佐「なんていうのかなぁ、…まぁ、簡単に言うと血がものすごーく足りなくなっちゃうこと。かな」

「そう、なんですね…笑」


かなりざっくりした説明だなぁ


佐「まぁ、そんなに気にしなくてもいいよ。こっちのことだしさ…熱っ」


淹れたてのマシュマロココアを飲もうとするが熱かったみたいで舌を冷ます


「大丈夫ですか…?笑」

佐「あっちー、火傷するかと思った〜笑」

「気をつけてくださいね」


それから静かな時間が流れた


「はぁ…落ち着きました」

佐「にゃははは、よかったよかった」

「カップ洗いますね」

佐「あ…うん…」


空になったカップを持ちソファから立ち上がった


佐「俺も欲しい…」


彼の口からそう小さく言葉が零れた

天然少女→←暴走



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設定タグ:SnowMan , 吸血鬼 , ファンタジー   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:雨乃ふあ | 作成日時:2021年11月13日 17時

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