不幸少女は雨模様に躍る (ページ47)

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〈※〉黄story 4 ページ47

小さい頃から天体を眺めているのが好きだった

嫌なことがあってもそれを忘れさせてくれるぐらいの力が天体にはあるんだって

岩「ちょっとだけ見てから帰る？」

「い、いいんですか？」

岩「なんか嬉しそうにしてたから」

嬉しくて。でも少し恥ずかしさを感じつつ小さく頷く

それから息を呑むほど美しい流星群に二人して釘付けになっていた

ーーーーー

岩「はい。到着したよ」

「意外とあっという間だったかも」

あぁ、いとしの懐かしき地面よ。ただいま…

大袈裟だがそれほど地に足がつくことの安心感を感じた

岩「空中は怖かった？」

「怖か……んー、まぁ確かに最初は」

岩「でも終盤は怖い怖いって言わなかったよね」

「なんででしょう…岩本さんのおかげかもしれないですね」

岩「……バ、バカ言ってんじゃねぇよ///」

急にスイッチが入っちゃって…先に家の中へ入ってしまった

「怒らせちゃった、かな……」

でも思ってることは事実だし、岩本さんがいてくれたのと…流星群？かな

「帰りました」

渡「遅い！！」

「えっ」

佐「はい、ピピーッ。レッドカードっ！！照、退場〜っ」

「えーっと」

今の状況を整理するとドア開けたその場に岩本さんが座っていて…なんで？

渡「二人でデート行ってたろ」

「デ、デ、デ、デートなんてそんな」

岩「い、い、行くわけねーだろ」

渡「いや、同じタイミングで帰ってくるなんておかしい」

佐「うーん、おかしいね」

これはなんだ。…みんな揃いも揃って嫌な顔しちゃって

「い、岩本さんとは帰りがたまたま一緒になっただけで」

岩「そうそう、Aさんちょっとした事件に巻き込まれちゃって」

佐・渡「事件！？」

あ、あんまり広めないでいただけるとありがたかったのですが

佐「誰に何されたの！？ねぇ、大丈夫？？怪我してない？痛いところない？」

渡「ちょっとそいつんとこ行ってくる、一発殴らせろ」

「やめてやめて。大丈夫だから」

暴れる二人を止めるのに精一杯

岩「余計なこと言ったな、ごめん」

「いえ…彼らのこれは今に始まったことじゃないので」

佐「翔太、俺も一緒に行く。Aを傷つけた罪はでかい」

渡「おう！！」

心配してくれるのは嬉しいけど流石にやりすぎだよね

阿「二人ともさ」

岩「あ、やっべ」

咄嗟に岩本さんが私の視界を覆った

どうやら痺れを切らした阿部さんが一発雷を落としたらしい

佐・渡「すみませんでした…」

阿「もう…」