治療 ページ37
深「っ、……ばぁっ……っあ…」
睨んでいた瞳が緩み目を閉じる
深「…はぁっ……はぁ、っ…、俺……」
阿「もう、しっかりして」
渡「さっすが阿部ちゃんだわ！！」
阿部の治癒力はずば抜けてすごい。成り上がりなのに大したやつだよ本当
深「ごめん阿部ちゃん」
阿「あまり魔力を消費したくないんだから…これ以上は面倒見ないよ」
深「…わかってる」
「悪りぃ阿部。ふっかのことサンキューな」
彼も反省したみたいでベットの上に大人しく座った
渡「まぁ、危機は脱したみたいだし」
阿「あっち、様子見に行く？」
渡「行こう」
二人は舘さんたちの後を追って部屋を出る
扉が閉まる直前
阿「二人もくる？」
と聞かれたので丁寧にお断りしておいた
「いや、いい」
深「顔出す価値ねぇよ俺」
阿「……わかった」
ーーーーー
宮舘side
佐「早く…早く手当しないと！！」
「佐久間」
佐「何！？」
あの佐久間が珍しく慌てている
よっぽどこの子が大事なんだろうなって
「焦ったら適切な処置できないよ、もっと落ち着いて」
佐「俺は落ち着いてる！！…よ」
傷口はかなり大きい、塞がるのだろうか
「佐久間大丈夫？」
佐「…う、うん…」
俺たちも所詮吸血鬼。怪我した彼女を前に何をし出かすかわからない
必死に必死に抗って
佐「舘様…これでいい？」
ある意味二人でいて助かった。一人だったら多分…
「……あ、うー、いや待って」
気がつかぬうちに佐久間が手当てしてくれたみたいだけど
包帯直巻きは痛いよ流石に
「絆創膏とかなかった？」
佐「バンソーコー」
「あ、佐久間絆創膏知らないのか…ちょっとそれ貸して」
佐久間から救急箱を受け取ると中を漁った
「これだよ絆創膏」
佐「へぇー…あ、なんか見たことある！！」
「これを傷跡に貼って…」
仕上げに包帯で一巻き
「これで処置は終わったかな」
佐「ありがとう舘様」
佐久間は嬉しそうにAさんを抱きしめていた
「…ふっかをさ」
佐「ん？」
「ふっかを責めないであげてほしい」
あの様子だと相当空腹だったのだろう。俺も同じだったから強く言えない
佐「………わかってるよ」
みんな辛いのは一緒だから…ね
佐「俺らはリビング戻ろっか」
「ねぇ、佐久間」
佐「…今度は何」
「お前、いつから耐性つくようになったんだ？」
佐「…やだなぁ笑、ずっと前からあったよ」
「……そっか」
いや、それならいいんだ。それならーーー
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作者名：雨乃ふあ | 作成日時：2021年11月13日 17時
