人の話を聞いて ページ36
「嘘だろお前」
深「仕方ないよ、我慢するのは身体に悪いって…よく言うだろ？」
最悪。赤い彼と目が合ってから瞳がぐらつく
「だからってな…」
袖で口元を拭っては少女をベッドに寝かした
深「綺麗な肌してるよね、この子」
「話逸らさないで」
深「話…？何のこと」
「ねぇ！！ふっか！！」
宮「何、どうしたの大声出して」
俺が大声出したせいで下にいた奴らがゾロゾロと
佐「Aっ！！」
渡「どういこと？説明して」
阿「…ふっか、」
佐「A！！ねぇっ、返事してよ…ねぇって」
佐久間……どんだけその女のこと心配してんだよ
宮「ちょっと佐久間退けて、別室に運ぶから」
佐「やだっ、お願い、死んじゃうなんて絶対やだ！！待って、ねぇ！！」
渡「佐久間落ち着け、ここは涼太に任せて」
舘さんがお姫様抱っこで部屋を出る。それにつられて佐久間も駆けてった
渡「んでこっちは」
阿「Aちゃんが気を失うくらいだもんね…ふっか暴走したね？」
深「っ、するかよ！！なぁ、照」
だから言ったんだ薬を使えって。余裕がないときに吸血するなって
「…知るか」
深「なぁんで、助けーーーっ、ゔっ、」
そうやって泣き言いったって俺は構わないからな
背を向けて強がった
渡「ふっか！！」
阿「ちょっと、」
ーーーーー
「っ、…ふっか？」
阿部と翔太が駆け寄っていたけど
深「あぁっ、はぁっ……はぁっ、ぁうぅ…」
「えっ、」
その場に倒れたふっかは喉元を強く押さえつけていた
渡「おい、しっかりしろよ！！」
阿「ほらやっぱり」
深「違っ……ちょ…っ、と、し…か」
「ふっか！！ねぇ、しっかりしてよ」
もう、本当にさ！！
久々の食事は身体に悪いから少しずつって言ったじゃん。俺だって我慢できたのにふっかが薬やるよって言うから
自分が一番必要じゃんか！！
血塊を吐き出してのた打ち回る
「っ、ちょっと待ってろ」
手持ちの薬はすでに飲み干していた
「翔太、抑制剤持ってるか？」
渡「持ってない、全部使った」
「えぇ…」
深「はぁっ、ヴッぁっ……ばぁっヴ…」
だめだ。…もう薬じゃどうにもならない
本来の姿になったんじゃ手の付けようがないよ
「これじゃ危害を与えるのも時間の問題か」
まともに機能してない。俺らのことも"餌"としか見えてないみたい
深「…っ、………」
「ふっか…」
いつも向けてくれる優しい紫色とは違う、冷たい赤眼
阿「……仕方ないな、」
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作者名：雨乃ふあ | 作成日時：2021年11月13日 17時
