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〈※〉青story 3 ページ27

渡「これでいんだろ」


渡辺さんは無一文でゆっくり歩いてきた


山賊親「おう、言うこと聞けば女は逃してやるからよ」

渡「今行くからそいつを解放しろ」

山賊親「それはだめだ。お前が来るのが先だよ」

渡「くっ……」


徐々に首元を覆っていた掌が抜けていく


山賊親「女は投げ捨てとけ、あいつを捕らえろ」

「は、はひ…っ、……」


ずるりとその場に落下し体を強打。でも意識は治ってきていて

目の前をゆらりゆらりと歩いていく渡辺さんが見えた


「っ、だめ!!渡辺さん」

渡「いいからっ、俺に構うな」


私との引き換えに彼が殺されちゃう

だ、誰か助けを呼ばなーーー


渡「お前余計なことすんなよ」

「…っ、んんっ」

渡「俺一人の犠牲で済む案件、わざわざ首突っ込む奴が増えても困る」

「でっ、ですけど…」


なんでそんなこと言えるのっ、もうすぐ死ぬかもしれないって時に


山賊「おい女っ!!うるせぇんだよ!!」

「ううっ、」

渡「おい、彼女に手出すな」

山賊親「俺らの知ったことか!!全員こいつにかかれぇー!!!」

「あ、っ……あぁっ、」


短刀を持った山賊達が次々渡辺さんを取り囲む

しばらくすると渡辺さんは群衆に紛れて見えなくなってしまった


ーーーーー

砂埃が立ち込めるその場所でもう一度目を開けた


渡「お前らこの程度で俺を殺そうとしてんのか?」

山賊「っ!?な、な…」

山賊親「どういうことだ!!」


山賊が悲鳴を上げ目にした光景といったら…

刺し傷だらけの彼が平然とした顔で立っていたからだろう


渡「へぇ、短刀ね。なかなかいい武器…だけどな」


彼は腹に刺さったそれを抜きくるっと手元で一回転


渡「剣は頭か左胸に刺さないと殺せないよ?」

山賊親「何故だ!!短刀がささってんだぞ、なんで死なねぇんだ」

渡「なんで死なないの?って失礼だなぁ笑」


その場に短刀を投げ捨てる


渡「まぁ、あんたらに俺を殺すことは無理だろうけど」

山賊親「何故そう言いきれる」

渡「だって俺…」


その瞬間、不敵な笑みをこぼしていた彼から完全に笑顔が消えた


渡「何百年と生きる吸血鬼だからなっ!!」


無数の蝙蝠が飛び立ったかと思うと天色の()をした彼が立っていた


山賊親「吸血鬼ぃ?はぁっ、笑わせてくれるわい」

渡「懲りないねぇ、ここで引くのが身の為だろ」

山賊親「誰が身を引くだって?返り討ちにしてくれるわ」

渡「そう、なら全力で行くけど…殺しちゃっても知らねぇから笑」

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設定タグ:SnowMan , 吸血鬼 , ファンタジー   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:雨乃ふあ | 作成日時:2021年11月13日 17時

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