改めて ページ12
阿部side
Aさん起きたみたい
佐久間と何か話しているみたいで。…何を言ってるかはわかんないけど
第一声は謝罪の言葉を、と
「あ、あの…先程は大変ご無礼を晒して申し訳ございませんでした」
A「あ…阿部さん、落ち着かれましたか？」
佐「ほらほら阿部ちゃん、こっち座りなって笑」
「佐久間の家じゃないだろっ」
なぁに人の家で馴れ馴れしくしとんじゃ！！てか距離近いんだよ距離
A「状況は佐久間さんから聞きました。気にしないでくださいね」
「もうなんでも罰は受ける覚悟です。出て行けと言われたら出て行きますし」
A「んー、じゃあここにいるっていうのは？」
「……わかりました…え？」
佐「Aちゃん天然だから、気をつけてね笑」
すかさず佐久間の耳打ちが入る
「それは…罰っていうの？」
A「罰って……なんだっけ？」
この子本気？気を遣ってくれてるとかじゃなくてガチの方？
「そんなのでいいの？俺てっきり太陽に炙られるのとか十字架当てられるのをイメージしてた」
A「な、なんですかその物騒な…」
彼女の身震いする姿が見てとれた
「でも…大罪犯したんだよ？」
A「うん……んー、」
あ、いまいちピンと来てないのかな
A「でも無事だったし。大丈夫！！」
へへへ。と笑う彼女を見て逆に心配になる
どこまでも怒りがない人間。初めてな感じだなぁって
佐「Aちゃん優しいね。ねぇ、甘えちゃおうよ阿部ちゃん」
「そう、したいけど…」
いいのだろうか。また傷つけちゃわないかな
目の前には無邪気に笑う彼女と意味ありげに微笑む佐久間
「じゃあ…仲間を見つける間だけ、いいですか？」
佐「おぉぉ、そう来たか」
A「仲間？」
「うん…俺ら元々九人いてさ、バラバラになっちゃったんだ」
佐「そそそ。アイツら大丈夫かな、餓死とかしてないといいけど」
「みんな見つけたらここを出ていくから。それまでの期間いいかな？」
彼女は"うーん"と少し考えてから
A「わかりました。阿部さんの好きにしてください」
了承をくれた
「っ！！ありがとう。絶対に、…絶対に迷惑かけないようにするから」
佐「やったぁ！！これからよろしくね、Aちゃん！！」
A「えぇ、こちらこそ」
今までの人生損ばかりだって思っていたけど初めて生きててよかったって。
こんないい子と巡り会えるなんてそうそうない
そんなことを痛感した
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作者名：雨乃ふあ | 作成日時：2021年11月13日 17時
