美しい世界に貴方は1人

twenty one ページ23

Kishi Side









「はっ！ゲリラ豪雨かよ！」



『ごめん岸くん私傘持ってない』


「俺も…」









さっきまでうざいくらい綺麗に晴れていたというのに

あっというまに雨。それも強い









しかも傘を持ってないなんて最悪だ。持ってたら相合傘とかできただろうに

くっそ、しくった









「Aちゃん！！俺の家近いから、その一旦俺ん家までダッシュしましょ！」



『いいけど私転ぶ可能性超高いよ』



「俺が手引っ張って…それでも危ないか」



『岸くん、私一人で帰るよ』



「いや、それはダメでしょ！じゃあ早歩きで！」









Aちゃんの手を引っ張って
若干走ってるけど早歩きで雨の中外へ出た

とりあえずバス停まで早歩き。5分ほど









『なんか早歩きだけど面白い笑』



『久々にこんなに早く走る』









さっきの偽物の笑顔とは違う素敵な笑顔









今までの嫌なこと全部忘れられるような。









なんだか嬉しくて、少しテンションが上がった









・









バス停に着いた。









『うわーめっちゃ濡れちゃった。』



「バス後五分だって」









とりあえずバス停で雨宿り。

ふぅ、って思った束の間Aちゃんの姿を見ると初めてあった時みたいに濡れて下着が透けてしまってる









「お、俺のカーディガンきて！濡れてるけど我慢して…！」




『あ、う、うん？』









なんとなく察したであろう彼女にカーディガンを着せた









少し大きくて萌え袖になっていて

やば、抱きしめたい









そんな風に思った

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