変えたい想い ページ32
ソウルコンの最終日。
昨日のコンサートを終え、映画の撮影へ向かったジュノは
寝ないで今日のステージにあがるという。
睡眠なしでコンサート？
と驚いたけど、それは私だけで、本人もメンバーも
さほど大変なことだとは思ってなさそう。
もう心配はしない。
心配はしてるけど、ジュノには何も言わない。
言っても事態は変わらない。
「怪我しないようにね」
「うん」
いつものように、それだけ声をかけた。
「今夜も撮影？」
「うん、何時に終わるかわからない。
ホテルに泊まるんだよな？」
「うん、宿舎には行かない」
「やはり早く部屋、見つけなきゃ。
こういう時、オレの部屋なら気兼ねせず、居られるもんな」
「・・・楽しみにしてるよ、ジュノの部屋。
じゃあ、ね」
「うん、何時になるかわからないけど、電話する」
いつもと変わらない、楽しそうなステージ。
寝不足だとは、全然わからない。
ステージにいるジュノは、遠い世界の人みたい、という想いは、今もある。
だけど、それは
私の変えなきゃならない想いのひとつ。
いい加減、世界が違うんだと卑屈になるのを捨てて
純粋に、ステージを楽しもう。
耳でジュノの歌声を。
目でジュノの踊る姿を。
マイクを通したジュノの声も、好き。
メイクをし、格好つけたジュノも。
全部、私の好きなジュノだから。
珍しくアンコールまで見た。
終わってからもすぐには立てなくて、席に座っていると
私を呼ぶ声がした。
「Aさん」
え？
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作者名：ミイ
| 作成日時：2015年4月24日 11時
