鏡の中 ページ24
くちびるを噛まれて、自分が潤むのがわかる。
ホント、マゾだ。
身体を支えていた両腕を、ジュノの首にまわし
もう一度、くちびるをねだる。そして、耳元でささやく。
「・・・動いてよ」
「動かなくても、感じてるだろ？」
「こんなとこで気持ちよくないもん。ベッドへ連れて行って」
強く抱きつく私の身体を離し、洗面台から降ろされた。
そして身体を反対にさせ、鏡越しに話しかけた。
「見て、前。鏡に映るAの顔」
「いやっ。見たくない！ベッド行こうよ」
「目、逸らすな。オレに気持ちよくしてもらって感じる顔、見て。
オレ、すごく好きなんだよ、この表情。ほら、見ろって」
何度顔をそむけても、ジュノは私の顔を前に向けさせる。
あごに指がかかり、顔を持ち上げられた。
「しっかり自分の姿、見ろよ。
目・・・鼻・・・くちびる・・・耳・・・首筋から鎖骨・・・
肩のライン・・・白い滑らかな肌、そして、大きな胸。
いいオンナだろ？なんで自分のこと、そんなに嫌がるの？
写真すら嫌がるけどさ、もっと自信持てよ。オレがそんなイマイチなオンナと
付き合うと思う？オレから選ばれたんだって、自信持てよ」
部位を口にしながら、指で撫でられる。
感じる場所を重点的に攻められるのとは違う感覚。
ゾクゾクして、身体がいうことをきかない。
鏡に映るのは、見慣れたジュノに胸を鷲づかみされた私。
まるで、心臓を鷲づかみされてるように見える。
そう、いっそのこと、本当の心臓を掴まれたい。
低い声で、ささやき続ける。
言葉が耳に当たり、それが全身を震わせる。
肩を強く押さえられ、洗面台に手をつくと、容赦なく私に押し入ってきた。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2015年4月24日 11時
