２◆ ”SAKUMA”という男。 ページ23
前回の依頼を受けてから暫くは誰かを殺したいって衝動に駆られることなく過ごせていた。
俺の殺しの衝動は発作のようなものだ。
ある時突然ぐわって沸き起こるその衝動。抑えようとすれば、開いた毛穴からドバッて汗が出て震えも起こる。
このままだとそこら辺に居る誰かも分からねえ奴を殺しかねないって。
別にこの世界に悔いもなければ、必死にしがみついて生きようとも思わないけど、俺は知りたい。あの答えを。
だからそれまでは生きていたくて、刑務所に入ると出るのもなかなか大変だから、出来れば死んでも誰も捜さなさそうな、恨まれてるような奴なら殺してもいいんじゃねえかって思った。
あの日、父を殺し母が死んでるのを見た俺は
その瞬間に鍵を掛けたんだ。
死体を見た時に、自分が感じたあの感情に。
さすがに自分でも俺はおかしいかもって思ったから。
このままだと祖父母の家にはいけなくなるかもって思ったから。
まだ普通に暮らしていた、幼い俺は。実の父親を殺した時点で普通なのか疑問だけど。
でもじぃちゃんばぁちゃんの元では普通にね、でも時々思い出す、あの日のことを、あの心臓を一刺しした感触を。するとどうだゾクゾクと震えだすんだ身体がじゃくて心が。
もう一度感じたい、あの感覚をって。
でもそれが一般的に駄目なことだって理解はしていたし、此処から追い出されて施設に入れられたらそれこそ自由がなくなって、きっともっと早く俺は壊れていたかもしれない。
俺にとってのストッパーは、じぃちゃん達だったのかもね。
だから俺が二回目の殺しをしたのは、大学を出てからだった。
当時俺が付き合っていた彼女は俺が二人目の男で、元彼を忘れられないと言った。
俺は普通を装うための、そんな彼女を利用した『忘れられなくてもいいんじゃない。俺はそんなお前が好きだよ』と嘘をついた。
好き？ んなもん知らねえし。
可愛いとか、かっこいいとか、好きとか、嫌いとかそんな感情が分かるなら俺はきっと真っ当に生きてたさ。
そしてある日彼女は、泣きながら言った。
『苦しいの。大介くんの優しさに甘えてばかりで。あの人が忘れられないっ、あの人が私の前から居なくなれば忘れられるかな』と。
ドクンッ、と心臓が早くなる。ド、ド、ドと血が熱く滾った。
『あんな人、死ねばいいのにっ……』
俺の中の何かがガチャっと音を立てた。
殺ってあげる。俺が君の代わりに。
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ゆきんこ(プロフ) - 悠砂さん» コメントありがとうございます！最後まで読んでもらえて嬉しいですし、続きを読みたいと思ってもらえたことも嬉しいです！続きを書くとしたら、今回のようなスピードでは書けないかもですが書けるように頑張りたいと思います😌ありがとうございました！ (2022年8月8日 22時) (
レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
悠砂 - こんばんは。最後まで読ませていただき、続きが読みたいと思いました。ベッターでも占ツクでもいいので、続きが読めると嬉しいです！他の作品もあるので、大変かとは思いますが、ゆきんこさんの作品はとても好きなので、楽しみにしています。 (2022年8月7日 22時) (レス) @page44 id: cf5d43c431 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - みぃ。さん» みぃ。さーん！気にしてくれてる方いたー！って喜びの舞を踊ってます私😂 誰も気にしてないかぁって思ってたんですが、この伏線大好き女の私なので何かあるって思ってもらえないかなぁとか(笑) やる気出ました！頑張ります！！ (2022年8月6日 23時) (レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あきさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます😊 その言葉励みに頑張っております！！ (2022年8月6日 23時) (レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - ゆきんこさーん！途中でコメント入れるのはお久なのですが、中編まで公開、お疲れ様です！いや、私気になってんですよ、お兄。←コレが言いたくてコメントしました🤣後編も楽しみにしてます！ (2022年8月6日 19時) (レス) id: fb4296a570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2022年8月4日 7時
