僕は君のPeterPan3

ブレスレットの意味 ページ33

ドンヒョン視点

「いくらなんでも怪我人多すぎだろう」
病院の食堂で俺とハギョンは粥を啜っていた。俺はスタンガンにやられただけだし、彼の傷も浅いのですぐに帰れる状態だったが、ホンビンとテグンが目を覚まさないうちはそうもいかない。それに午後には警察に事情聴取を受ける事になっている
「二人は輸血を必要とするほどの大怪我、誘拐小僧はお前のフルボッコで軽傷、犯人夫婦も負傷、俺は感電、お前は胸を自分で切りつけた。お前何やってんだよ」
N「ドンさんこそ、自分で電流流したんだろ。クレイジーだね」
「相打ちだよ。ああでもしなきゃホンビンどころかジニョン達まで危なかった。巻き込んだ事は反省してるし、多分ノーブルから仕事が来る事はないだろうな」
どこか遠い目で粥を掻き混ぜるハギョンの頭を撫でた
N「ちょっと何。俺子供じゃないよ」
「俺から見りゃまだまだガキだ。間違える事もあるし、自己嫌悪にもなる。後悔だってするさ」
N「………Aちゃんに最低な事言った」

“幸せな部外者”

N「かっとなっただけだけど……あの子にだけは言っちゃ駄目だった。今でも、あのブレスレットをしてるのに」
俺がハギョンにあげたブレスレットか。それには負い目や罪の意識が織り込まれている
N「あの子は凄く傷付いた筈だ……なのに、ジョンインに言って俺を止めさせた。あの子はいつだってそうだ！俺を責めて憎んで、嫌ってくれたら余程楽だ、なのに………いつもそうやって俺を案じて、もう傷付いてないって、怒ってないって嘘を吐く」
彼は左手に巻き付けられた薄汚れたミサンガを弄った
N「……施設で別れた時、テグンと靴紐を交換したんだ。絶対見つけ出すからって………でも俺は約束を破った。自分の事でいっぱいになって、周りを傷付けて……ドンさんに拾われた頃と何も変わってない。一人で暴走して周りを悲しませて、恩のある人を傷付ける」

“ヤヌス………あんたもそうなの？”

「……俺は気にしてねぇよ」
N「嘘ばっか」
「確かに多少自分の力量不足に悩んだが、それでも傷付きはしなかった。お前がそう簡単に人を信じれるわけないって最初から思ってたし、お前がいつか、俺がどんな思いでお前に接していたか気付いてくれると信じてたからな」
項垂れる彼の頭を撫でる
「彼女にブレスレットの意味を教えてやれ。それで謝ればいい……お前は間違った、でもやり直せる」
泣きじゃくる頼りない肩をした少年に、俺は苦笑いをした

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