Haengbok (ページ5)

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アボニムの耳元でヒソヒソ話すきれいな女の人

少しすると、すっと離れて、アボニムが女の人の肩に手を置いて頷いた

「A」

「はい」

「パクさんとお話ししてきなさい。」

「お話し？」

「僕よりも彼女の方が君のことをよくわかると思うから。」

「？わかりました」

「じゃあ、Aさんのお部屋に行きましょうか？」

「はい」

わたしの返事を聞いてすごくきれいな笑顔になった女の人、パクさんの差し出した手に自分の手を乗せて、一緒にアボニムの部屋を出た

わたしのお部屋に入って、小さな机をはさんで向き合って座る

おたがいの名前を言って、生まれた日、それからわたしのいままでのことをたくさん話した
パクさんは、テリさんっていう名前で、オンニって呼んでほしいって言っていたから、テリオンニって呼ぶことになって、テリオンニはわたしをAって呼んでくれて

本では “언니(オンニ)” って読んだことがあったけれど、本当にこうやって使うのは初めてだったからうれしいなぁ。

tr「Aは、대표님(代表)……アボニムとの生活は楽しくない？」

「たのしいとか、よくわからなくて……ただ、いままでと全然ちがうから、むずかしいんです、」

tr「今までその、おじ様、から逃げたいと思ったことはなかった？」

「にげたい…？どうして？」

また、オンニが変な顔した。

「テリオンニ、変な顔してます…さっきアボニムもしてました」

tr「えっ？……えっとこれは、なんて言うんだろう……困ってるのかな、」

「こまってる、……言葉は知ってるけど、どういう気持ちですか？」

今度は眉毛の後ろを下げて、ちょっとだけ目の下の方に涙がたまってる。
オンニが泣いちゃうの、どうして？

「オンニ、どこが痛いですか、？」

tr「っ、痛いよ、ここがすごく、」

左の胸のあたりに手を置いたオンニを見て、わたしの手を重ねようとすると、きゅっとオンニの指がわたしの指に絡まって、オンニのもう片方の手がわたしの頭をゆっくりと撫でた

tr「これからは、オンニがいろんなことを教えてあげるからね、」

「いろんなこと、？」

tr「そう、気持ちも、お部屋にあるものも、お家の外にあるものも全部全部だよ。」

「わぁ！本当ですか？」

tr「うん。だから、楽しみにしててね」

「たのしみ……はい！」