クリームブリュレ ページ9
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「Aこれ食べるー？」
ソファーでごろごろしてる彼女にクッキーを差し渡せばパクリと食べる。
「今日どこにも行かない？」
「んー、最近暑いから外嫌。」
「それもそっか、今日は家でゆっくりするか」
って掴んでいた映画の前売り券をそっと棚に戻した。
「あ、」
「んー？どした？」
「いやなんも！光成今日もう帰るね！」
「え？なんで？なんか予定あった？」
「そう！今ママからLINE来てね、あんた歯医者の予約入ってるでしょって」
「あー、そっか、それならしょうがないね！送ってこか？」
「いや大丈夫！1回おうち帰るから！」
またねって手振って荷物を掴んで帰って行ったA。
「光成それさ彼女浮気してない？」
「え？」
「話聞いてる限り多分歯医者なんか嘘だと思うけど、」
信じられなかった。光輝から発された『浮気』に。
「光成さ、わがまま彼女にいったことある？彼女のこと束縛したことある？光成尽くしすぎなんじゃない？女の子は優しくしすぎたら飽きられちゃうもんだよ。」
光輝との会話が回る頭を抑えながら暗い夜道を歩く。
なんとなく、なんとなくだけど光輝との会話を信じたくなくて、手に取ったスマホ。
『いま何してる？』
送ったメッセージに直ぐにつく既読に酷く安心した。
『いま友達とご飯きてる』
『会いに行ってもい？』
お昼は歯医者って言ってたじゃん。今日は誰とも予定入ってないって言ってたじゃん。俺恋に盲目になってた？
あまりにも設定崩すのが早すぎんだよ。
『今日は会えないかも。このあと…って言う映画観るんだ』
俺と観ようねって言って隠れて買った前売り券を思い浮かべる。
『それ俺と観ようって言ったじゃん。だから行かないで』
光輝ちゃんとわがまま言ったよ？
『ごめん、今日は約束してたから』
約束ないって言ってたじゃん。俺の方が今日先に約束してたよ。
『俺今日ずっと楽しみにしてたのに』
『光成今日めんどくさい。また今度ね』
一度気になってしまったらもう戻れないんだ。
『光成ごめんだけど浮気現場見つけた』光輝のLINEに映る彼女としらない男。
『ごめん、別れよ。』
最後に彼女に送ったメッセージを最後に彼女のアカウントをブロックした。
「尽くしすぎると幸せになる確率より浮気される確率の方が大きいんだって」
光輝ありがとう。俺も幸せになるよ。
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作者名：にゃん | 作成日時：2023年4月5日 22時
