フレジエ ページ8
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｢こきくん！！次いつ遊べる？｣
そう無邪気な笑顔で兄の皇輝に抱きつくのは紛れもなく皇輝の彼女のAで俺とは幼なじみの関係。
Aとは親同士が仲良くてずっと3人一緒の環境で育てられてきてなんならAと俺は歳が同じでずっとずっと皇輝よりも同じ時間を共にしてきたのに。
去年の夏俺の大好きな2人は付き合った。
正直に悔しかった。ずっと大好きだったのに。
｢ねぇー、星輝！この漫画の続きあるー？｣
皇輝がまだ大学から帰ってこないから制服のままで俺のベッドに寝転びながら漫画を読んでるA。
短くしたスカートから覗く脚が思春期の俺を煽る。
｢ねぇ、見えるって｣
顔を出しそうな欲に蓋をしてAの脚に毛布をかけてあげる。
｢ねー、星輝ねむい、こきくん帰ってきたら起こして｣
そう言うとかけてあげた毛布を上まで伸ばして結局隠れてた脚は丸見えで、それじゃ意味ないじゃんって。
そんな俺の事を気にせずAはすーすーとすぐに寝息をたてる。皇輝と同じ大学に行くと意気込んで夜遅くまで勉強してるのは俺とAだけの秘密。
皇輝が帰ってくるまで俺も勉強しよと机に向かおうとすれば掴まれてた制服の裾がピンと張る。
無理にはなそうと思えば離せるのに離したくないという感情がチラつく。
無意識に頭を撫でていたら
｢ん、こきくん、｣
寝言で皇輝の名前を呼ぶA。
ムカついた。俺といて、ここは俺の部屋で、俺の領域に勝手に入ってきたのに俺以外の名前を出すAに。
だめとわかっていても、好きな気持ちは抑えられなくて
幼稚園に通っていた頃ぶりにAの唇に自分の唇を重ねた。
あー、また皇輝に秘密ができた。
無防備に俺の部屋で寝るのが悪いんじゃんなんて心の中で自分を正当化させた。
皇輝。
皇輝の彼女躾がなってないよ。他の男の前でこんなに無防備に寝ちゃうんだよ？
しかも男の部屋だよ？
そんな躾のなってない浮気者とは別れて、はやく俺に頂戴。
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作者名：にゃん | 作成日時：2023年4月5日 22時
