トルテ ページ7
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「Aさん。スカート短いよ。」
「皇輝くんはいちいちうるさいよ。」
風紀委員の俺といっつも校則を破る君。
「こら！染めちゃだめって言ったでしょ！」
「もううるさい！！」
何度言っても破られる校則。
でもなんやかんやこのやり取りも楽しかったりする。
「あっ！ボタン外さない！ちゃんとリボンつける！」
「皇輝くんお母さんみたい！！やだ！」
1個直せば次の日にはまた違う校則が破られて、
どうしようも無い君。
でも
「え？」
ある日突然君は校則を守るようになった。
黒い髪に膝丈のスカート。リボンもきっちり付けられてボタンも1番上まで閉まっている。
「なに？文句？？もうちゃんと守ってるけど！」
「いや、そういう訳じゃなけど、」
いきなり守られたらそれはそれで困惑する。
「なんでいきなり？？」
「好きな人できたから」
その時に初めて気づいた自分の恋心。俺って恋に鈍すぎる。
あっ、そうじゃんこれで俺の役目も君ともつ関わりも無くなってしまった。
と思ったら1週間後、
「あ！ピアス！だめ！！」
「もう！！着いてくんな！」
なんか前より悪化してない？
「この前まで真面目にしてたじゃん！なんで破んの！」
「だって、真面目にしたら好きな人話しかけてくんないもん！
真面目な人が好きと思ってちゃんと守ったのに！！」
何故か俺に当たるかのよう口調で言った君はまた「もう着いてくんな！」って叫んでくる。
「あ！待て！」
なんとなく掴んだ君の手首。
振り返った君の頬はなんだか赤くて。
「鈍感なんだよ！ばーか！頭良くてもばかなんだね！」
え？なんで俺怒られてんの。
「もう！鈍感すぎていらつく！！校則守ったら皇輝くん相手にしてくんないじゃん！！ばか！あほ！はげ！！」
なんか悪口すぎるけど、さすがにこれには俺も勘づくわけで
「え？もしかして俺のこと？｣
「そうだよ、皇輝くんのことだよ！好きなの！！」
校則から生まれる恋なんてこの世に存在するんだ。
「俺も好き、だから一生校則破っていいよ」
俺もこれじゃあ共犯だ。
噂が回りやすいこの世の中で
「川��、お前の彼女校則破りすぎ、風紀委員だろどうにかしろ！」
って怒られる未来が想像できた俺は幸せなのかも。
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作者名：にゃん | 作成日時：2023年4月5日 22時
