フォンダンショコラ ページ5
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「今日檜山の彼女来んでしょ？」
「うん、来るよー、さっき連絡来た」
少年忍者のライブ。檜山と湧が話してるのを聞いて携帯を見れば
俺が名前を変えたうさぎの絵文字の子からの新着メッセージ。
『光輝今日会いに行くね』
檜山に罪悪感は多少あるものの辞められない少し危険な恋愛。
「黒ちゃんはじまるよー！」
急いでうさぎに『待ってる』と送って今日もステージで輝くための仮面を被った。
「おつかれ！！」「おつかれーちょっと俺トイレ！」
そう言ってライブ終わりの独特な熱気に包まれたみんなはあれやこれやと感想を言ってるのを他所に俺は廊下を走る。
いた。スタッフさんに連れられたうさぎ。
「黒田くんどうしたの？」
「あっ、檜山が忙しそうだったんで俺が変わりに」
「あーそういうことね！じゃあお願いね」って消えていった顔見知りのスタッフさん。
「A久しぶり」
手を引いて急いで近くの個室に入ると俺の肩に顔を埋めて「遅いよ」って甘えてくる。
「檜山にはそんなわがまま言わないだろ」
「うるさい」
そう言って生意気な態度も光成にも見せなくて俺だけに見せる顔。
「光輝｣
袖を引っ張られればそれはキスしての合図。
頭に手を回して深いキスをすると、目をうるうるさせてこっちを見てくる。
「っ、ん、満足、光成くんに心配されちゃうから早く行く」
「そ、じゃあ行くよ」
別に光成から引き剥がしたい訳では無い。ただ今はすこし危ない恋をしたいだけ。
「Aちゃん捕まえたよー」
「おーちゃんと来れた？遅いから心配した」
「来れたよ！ちょっとたまたま黒田くんと会ったから立ち話しちゃってたのー」
さっきよりおしとやかな雰囲気で光成に話しかけるうさぎ。
そんな中俺に真っ直ぐに突き刺さる視線。
俺意外と人とか物事の変化に敏感なんだ。
あー、俺とうとうやらかしたかも。
「黒ちゃんAちゃんとどういう関係？」
ほら、やっぱり。檜山とうさぎがタクシーで帰って行った後に1人で帰ろうとした俺の後ろをつけてきた湧。
あー、湧は要注意人物だったのに。最悪だ。
「なにが？なんのこと？」
「とぼけても無理」
湧から見せられた携帯の画面にはうさぎと俺がキスをする所がしっかりと動画に抑えられていて、
「何？撮ってどうすんの？」
「檜山に言う」
「それって光成のためになんの？」
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作者名：にゃん | 作成日時：2023年4月5日 22時
