ブラウニー ページ4
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「お前かわいいなー」
私の頭で跳ねる大きな手。
「もう黒田やだ！ほかの女の子にもやってそう！ちゃらい！」
「はぁ？俺超一途だし！！！」
「ねぇA付き合おうよ」
「黒田のは嘘っぽいからやだ！」
「何泣いてんの？どした？」
時に見せる優しい顔が、私に触れる優しい手が
私を恋に落とした。
「お前ほんと放っておけないな！」
「お前となら付き合える！ガチこれ嘘じゃない！」
そう言ってくれたのはやっぱり嘘だったんだ。
バイト終わりの駅前。私の前には知らない歳上らしい女の人と腕を組んで、いつもより大人っぽい格好をしてる黒田。
私と遊ぶ時は髪の毛はノーセットでそんな大人っぽい格好しないじゃん。やっぱり黒田は危険なんだ。
「黒田の嘘つき。」
「A！髪切った！！！なんで！！」
恋愛で髪切るなんて古いかもしれない。
それでも私はこの気持ちを捨てたかった。
「黒田さ、やめたほうがいいよ、そういうこと、」
「なにが？」
「女の子に優しくしたらだめだよ、勘違いしちゃうから」
「して欲しいって言ったら？」
やっぱり黒田はくずなんだ。
｢もうしたって言ったら？他の女の子と切ってくれる？｣
そう言うと驚いたように目を丸くした黒田は
｢ばれちゃったか｣と少しだけ笑った。
「でもさ、勝手に好きになったAも悪くない？」
その言葉に私は何も言えなかった。
「じゃあ期待させないでよ、っ」
「お前が勝手にしたんだろ」
もう黒田とは元の関係には戻らない。いや戻れない。
でも将来きっとこの時の失恋の意味が分かるだろうから。
失恋した私よ。強くなれ。
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作者名：にゃん | 作成日時：2023年4月5日 22時
