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｢すいません、Aちゃん迎えに来ました｣
ってドアから顔を覗かせたのはイケメンで高身長でダボッとしたスウェットをきた男。
｢あ、りゅうせいさんですか？｣
｢そうです。｣
｢Aちゃん奥のカウンターで寝てるので案内します｣
ってりゅうせいを奥のAちゃんの元まで案内する。
｢ありがとうございます、ご迷惑おかけしました｣
そう言うと、｢ほらAちゃん帰ろ｣って肩をポンポンして起こしてる。後輩だったらタメ口なんて使う？？
｢んー、りゅうせい、湧くんは？｣
なんて声にレジから顔を向ければ困ったようにこっちを見てるりゅうせいって人。
｢お呼びですかAちゃん｣
｢湧くんなんか怒ってる？｣
｢怒ってないよ、飲みすぎには気をつけてな｣
ってわざと頭を撫でた。
そういうと、案外パッと立ったAちゃんは｢りゅうせい帰ろ｣なんてりゅうせいの手首を掴んでレジに向かう。
ほんとどんだけ翻弄したら気が済むんだ。
次の週、Aちゃんは来なかった。
ただ、りゅうせいってやつが来た。
｢すみません、生ひとつください｣
｢お兄さん、前Aちゃん迎えに来た人ですよね？｣
｢あ、覚えてました？｣
そういったりゅうせいはビールを流し込んでから｢Aちゃんのこと好きなんですか？｣って包み込むことなく言われた言葉。
｢りゅうせいさんは好きなんですか？｣
｢俺はただのAちゃんの後輩です｣
｢後輩だったらタメ口使います？｣
｢んー、まぁ普通なら使わないですよね、元彼なんで｣
｢え｣
｢てか質問を質問で返さないでくださいよ、笑｣
頭の中がパニックになる。元彼なのにこんな親しいもんなの。
てか絶対こいつ未練あるだろ。と思いつつAちゃんのことを好きかと聞かれればわかんない。
｢分かんないんですか、じゃあ今日Aちゃん来なくて寂しくないですか？｣
｢まあ、そりゃちょっとは寂しいけど｣
｢じゃあ好きじゃないですか｣
ってまたビールがりゅうせいの喉を通っていく。
｢Aちゃんひとりぼっちなんです。地元離れて就職したから1人なんです。で、俺が今年入ってすぐ付き合ったけど、Aちゃんいつも寂しそうでだから俺から別れようって言ったんです。でも最近Aちゃん寂しそうじゃなくて。｣
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作者名：にゃん | 作成日時：2023年4月5日 22時
