sweets box (ページ16)

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Ku.k

湧と睨み合いが続く。

でもごめん。Aちゃんの手を握った時から決めてた。
もう渡さない。絶対俺が幸せにするって。

ううん、違う。この状況を作り出したのは紛れもなく俺なんだよ。だから最初から決めてたんだ。

湧たちとご飯いこうってなってこの店に決めたのは俺。

直前になってドタキャンしたのも俺。

Aちゃんが1人なことをいい事に弱みにつけ込んで誘ったのも俺。

Aちゃんとのご飯のお店を予約したのも俺。

湧との今の関係をわかっていてずるい質問をしたのも俺。

全部、全部俺が仕込んだんだよ。

黒「わく、俺Aちゃんが好き。」

「黒ちゃん、」

離さないよと言わないばかりにきつく握った手。

「わく、別れよ」

ずっと逸らしていた目。その目をしっかり湧に向けて放った言葉。

湧「A、俺まだ好きだよ。ずっと一緒にいたい、Aがいてくれることが当たり前になりすぎてた。｣

「湧が言ったんだよ。湧縛られるの嫌いでしょ？わたし縛っちゃうから。湧誰とどこ行くとか言ってくれない、寂しいから。」

湧「全部治すから」

「ごめんね｣

弱々しく呟いたその言葉に湧は顔を一瞬歪めて「そっか、ごめん、俺じゃA幸せになれねえよな、笑」って言ったあと、「俺今日は帰るわ」って店を出ていった湧。

知らぬ間に湧と来ていたあじとかは既に空気を読んだのかいなくなっていてまた2人になった空間。

「黒ちゃん、」

黒「俺が責任取って幸せにする、それじゃだめ？」

「責任取って幸せにしてくれないと黒ちゃん恨むよ」

なんて涙目で悲しそうに笑ったAちゃん。

湧、ごめんな。

でも彼女より友達を優先させちゃだめなんだよ？？

「ねぇ、光輝どこ行くの？｣

黒「んー、深田と遊びに行くだけだよ、寂しいの？笑｣

「さみしい」

黒「かわい笑、夜ご飯前には帰ってくるからさいい子で待っててよ？ご褒美あげるから」

って言えば口をぷくっとさせながらもうなづいたAの唇に自分の唇を重ねた。

ね、湧、幸せになれたよ。

あのとき、湧が彼女より友達を優先させてよかったよ。

なんて最低なことを思った。

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