3話 ページ8
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本番前日の個人練終わり。
「蓮。これ」
蓮「え?作ってくれたの、?わざわざ?」
「うん」
手作りのお守りを渡した。
「これで全国行けるように明日の大会頑張って」
蓮「A、、」
蓮はにっこりと笑い、私を抱きしめた。
蓮「応援してね!」
「もちろん!」
蓮「うっしゃ、帰るか!」
「うん!」
蓮「あ」
「え、?」
蓮「明日の大会、優勝したら何か奢れよ」
「フッ、優勝したら、ね?」
蓮「絶対してやる」
2人で笑いあった。
あぁ、この幸せが続いてくれたらいいのに。
そう叶わないだろうと思う願いを空に向かってした。
空は、叶うじゃないかって勘違いしそうなほどの満天の星が広がっていた。
試合当日。
私は選手席で待機していた。
結愛は早速連の元へ行き、何かを渡していた。
だから蓮に話しかけられなかった。
結愛がそんな事しなくても、バタバタしてたから余裕ない。
試合は順調に進み、決勝まで行った。
蓮は1年の中で1番活躍していて、私のアドバイスを活用してくれていた。
そして決勝で相手チームをボコボコに倒し、何とうちのチームは優勝。全国に行ける。
蓮のところに行って"おめでとう!"と言いたかったのに結愛に取られてしまった。
胸が痛くなった。
いや、そんなものじゃない。
何かの渦が私の身体中を支配した。
結局何も話せなかった。
その日の打ち上げでも、蓮の隣には結愛がいて。
気分が悪くなって、途中で抜け出して帰ろうと路地を歩いていると、背後から蓮の声が聞こえた。
蓮「Aー!大丈夫?」
「蓮、」
蓮「え、泣いてるの?大丈夫?しんどい?おぶってやろうか?」
「蓮」
蓮「ん?」
「もう私に近づかないで」
蓮「は、?」
「蓮には結愛がいるでしょ?」
蓮「え、いや、アイツは、」
「結愛の恋心に応えてあげてよ」
涙を流しながらも、精一杯の笑顔で言った。
蓮「A、、」
「もう、私の名前も呼ばないで」
蓮「は、?」
「目黒くん、Aさん、そう呼び合おう」
蓮「何言ってんだよ、」
「もうね、疲れたから」
蓮「、」
「帰るね、」
歩き出すと、私の名前を呼ぶ蓮の声が聞こえた。
でも、1回だけ。
蓮、ごめん。
ごめんね。
好きだよ。
その日以来私と目黒くんは話さなくなった。
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まや(プロフ) - ぽんさん» ホントすみません!!教えてくださってありがとうございます!!! (2021年4月2日 11時) (レス) id: a8ecff5816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まや | 作成日時:2021年4月2日 11時