初恋 (ページ19)

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蓮がお見舞いに来てくれて、今日は外を散歩しながら色んな話をした。
少し沈黙ができた時、今だと思って話した。
私は受験も就職もせず、お兄ちゃんの会社の手伝いをするということ。
お見合いをして、専業主婦になること。
そして、別れて欲しいということ。
自分の思いを全て話した。
蓮は黙って、眉間にシワを寄せながら聞いていた。
「だから、もう、来なくていいよ、」
蓮「そんなのおかしい」
「おかしくない」
蓮「おかしい」
「おかしくないってば、！、、、さようなら、」
とにかく蓮から離れたくて、懸命に車椅子を動かして逃げようとした。そんな私を蓮は後ろから抱きしめた。
蓮「お前が好きだ」
「、」
蓮「ずっとずっと好きだ。サッカーが上手なお前も、サッカーが大好きなお前も、サッカー出来なくて悔しがってるお前も、車椅子のお前も、足引きずりながら俺の練習に付き合ってくれたお前も、俺の事が好きなお前も全部全部好きなんだよ。俺は離れない。Aは、俺の事が好きすぎて俺に迷惑かけたくなくていつでも離れようとするけど、俺はお前が好きすぎて離れられない。離れたくない。もっと迷惑かけて欲しい。それを迷惑って思わない自信がある」
「蓮、、」
蓮「だから、ずっとAのそばにいさせて、」
「、」
蓮「結婚しよ。Aが働けないなら俺が働く。お兄ちゃんの会社の手伝いも、お見合いもしなくていい。ただ俺のそばにいてくれればそれでいい」
「でも、」
蓮「一緒に生きて欲しい」
「蓮、、、ほんとに、、ほんとに私でいいの、？」
蓮「いいに決まってんじゃん。だから何回も引き止めてんだけど」
「あはは確かに、」
蓮「Aに振られんのこれで何回目？それでも懲りない俺ってやばくない？」
「、、そんなところに私も惹かれてるのかもね」
蓮「、、ねぇ、A」
「ん？」
蓮「キスしていい？」
「、いいよ、」
蓮「じゃあ、車椅子動かすね」
私の車椅子はくるっと蓮の方に向き変えられた。
蓮「愛してる」
蓮は私の唇にそっとキスをし、角度を変えながらも優しいキスを繰り返した。
一瞬私の唇から離れた時
蓮「Aは、俺の事、どう思ってる、？」
「、愛してる、」
蓮「フッ」
そしてまたキスを繰り返した。

蓮は進路を変更し、私を守れるよう強くなるために警察官になった。

高校卒業後私たちは同棲し、蓮が学校を卒業し、警察官になって2年目の頃、結婚した。

そして、そのまた2年後に娘が生まれた。