四十八 ページ48
「A…嫌やぁ、離れたくない…ッ」
「俺らも愛してんで。ほんまに、ほんまに愛してる」
「俺らのこと見といてくれるだけで嬉しいわ。
未練なんか残さず、しっかり成仏するんやで」
「…グズッAさん……」
Aは、軍からの人望も厚く、仕事をテキパキこなし、愛された軍医であった。
葬儀は国を巻き込んで盛大に行われた。
墓は、昔過ごしていた孤児院の許可も取り軍の敷地内に建てることになった。
その代わり、孤児院の者はAの墓参りに軍を出入りすることが出来るそうだ
「…A。久しぶり」
「俺、Aがおらんくなって立ち直れそうになかってん
けどな、軍のみんなが沢山励ましてくれて、俺少しだけ前向けるようになったで
やっぱりショッピは私と付き合うべきでは無かったんやとかそんな事は思わんとってな?
Aと過ごした時間は全部俺の大切な宝物やから。
新しい軍医は外から引っ張ってくるんやなくて、Aの補佐とかしよった衛生兵が軍医に立候補して軍医になったで。自分が後を継ぎたいですって真っ直ぐ言よったわ
それと、Aの病気の治療薬、Aの部下の衛生兵達が作り出したで
Aが帰ってきた時からずっと研究し続けてたらしい。
これで、Aと同じ病気で亡くなる人もおらんなる
原因も分からず突然死ぬ恐怖に怯える人が、少しでもおらんなる
Aは、ほんまにええ人らに囲まれたな
A、愛してたで。
そして、これからもずっと愛してる」
ショッピが白いカーネーション、そしてスターチスの花を墓に供えるとブワッと強い風が吹く
『ショッピくん、私も愛してますよ。愛し続けます』
気のせいか、本当なのかは分からないがショッピには確実にその声が聞こえた。
Fin
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ヒメリ - めちゃくちゃ泣きました、ゔぅぅぅ声を荒げて泣きたいぃぃ (11月10日 0時) (レス) @page50 id: 15632a9ca1 (このIDを非表示/違反報告)
白米の無い弁当 - ぁぁ…こんな神作品こりゃ泣くわ……グズッ泣く時声出さへんけど声出ちまった………ゔわぁぁぁぁぁん… (5月7日 20時) (レス) @page50 id: b86b104ca2 (このIDを非表示/違反報告)
りと - ああもう、泣かせますねぇ…。苦しいけど、前を向いて生きていく姿に更に泣かされました。気の利いた言い回しは出来ませんが、本当に素晴らしい作品だということだけ、伝えさせていただきます。お疲れ様でした。 (5月5日 19時) (レス) @page50 id: 3c068a4e58 (このIDを非表示/違反報告)
うぬっぴ - 泣きました。泣いてる時に、テレビからちょうどよく、悲しい感じの歌が流れてきて…。壁に頭を打ち付けながら、『泣けるハッピーエンド』と言いながら泣いてました。最高の作品です!読んでて楽しかったです! (2023年1月2日 20時) (レス) @page50 id: 07186dcafa (このIDを非表示/違反報告)
サラミ - めちゃくちゃ泣きました。本当に素晴らしい作品をありがとうございます。ちょっと布団取ってきますね。バスタオルだと足りなくて・・・() (2022年9月20日 21時) (レス) @page50 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨宮 | 作成日時:2022年8月5日 18時