十二 ページ12
今日は我々国とF国の戦争だ
戦争が始まり数十分もすると次々に負傷者が運ばれてくる
軽傷者は衛生兵が、重傷者の手当はAとベテラン衛生兵で行う
戦争なので当たり前のようだが運ばれてくる負傷者は皆、痛々しい傷を付けてくる
軍医なので傷には慣れてはいるがいい気分がしないのは当然のことだろう
手当をしながら数時間が経つと鬱が入ってくる
「Aちゃん!シャオちゃんが!!」
焦った顔をしながらシャオロンを担いでいる鬱を見て兵士たちは暗い顔になる
「なにがありましたか?」
「あ、あのな、、あの」
「落ち着いてください。」
話を聞くと50mほど先に落とされた手榴弾に気付くことが出来ずにシャオロンは爆発に巻き込まれ、破片が体に刺さってしまったそうだ
背中を見ると大きな破片がぐさりと刺さっている
「Aちゃん…シャオちゃん治るよな?」
「はい、治します
鬱さんはすぐにエーミールさんの指示に従って戦ってきてください」
そういうとインカムから参謀のエーミールの声が
「大先生、シャオロンさんが動けへんから第2部隊の統率を任せてもええか?」
焦らずに、真っ直ぐな声で話すエーミールに鬱は「了解!」と言い走って出て行った
鬱が出ていくのを見たところでシャオロンに目をやる
幹部が優先なので他の重傷者は手の空いている兵士たちに任せる
「シャオロンさんすみません。もう麻酔がきれていて」
最後まで言う前にシャオロンが返事をする
「…麻酔無しか、…ええで」
「すみません」
そう言いAはシャオロンの背中に刺さった破片を抜く
「破傷風菌によって破傷風が発生してしまうと亡くなる可能性が高くなってしまいます。
なので傷口を開いて洗浄をします。我慢してください」
そういうとAはシャオロンの背中をメスで開く
「洗浄が終わったら縫合をしますので」
淡々とした声で話すAの声を聞きながらシャオロンは口にハンカチを詰め痛みを我慢する
数十分すると「終わりました」の声が聞こえる
「シャオロンさん、よく頑張りました。」
Aの声に安堵したシャオロンは前線で戦っていた疲れもあり半分気絶と言っていいように眠ってしまった
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ヒメリ - めちゃくちゃ泣きました、ゔぅぅぅ声を荒げて泣きたいぃぃ (11月10日 0時) (レス) @page50 id: 15632a9ca1 (このIDを非表示/違反報告)
白米の無い弁当 - ぁぁ…こんな神作品こりゃ泣くわ……グズッ泣く時声出さへんけど声出ちまった………ゔわぁぁぁぁぁん… (5月7日 20時) (レス) @page50 id: b86b104ca2 (このIDを非表示/違反報告)
りと - ああもう、泣かせますねぇ…。苦しいけど、前を向いて生きていく姿に更に泣かされました。気の利いた言い回しは出来ませんが、本当に素晴らしい作品だということだけ、伝えさせていただきます。お疲れ様でした。 (5月5日 19時) (レス) @page50 id: 3c068a4e58 (このIDを非表示/違反報告)
うぬっぴ - 泣きました。泣いてる時に、テレビからちょうどよく、悲しい感じの歌が流れてきて…。壁に頭を打ち付けながら、『泣けるハッピーエンド』と言いながら泣いてました。最高の作品です!読んでて楽しかったです! (2023年1月2日 20時) (レス) @page50 id: 07186dcafa (このIDを非表示/違反報告)
サラミ - めちゃくちゃ泣きました。本当に素晴らしい作品をありがとうございます。ちょっと布団取ってきますね。バスタオルだと足りなくて・・・() (2022年9月20日 21時) (レス) @page50 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨宮 | 作成日時:2022年8月5日 18時