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17.巡回 ページ17

_我妻side


甘味処を後にし簪の専門店へ向かった

幸いにも周囲の人々は自分の事でいっぱいいっぱいらしい

Aちゃんの瞳孔が人とは違うことに全く気づかれなかった

『これならまた二人で出掛けられるね』

心底嬉しそうな笑顔は鈴のような心地好い音がして

さっきの苦しそうな笑顔はまるでなかったみたいだ

アオイちゃんに似合う簪はなかなか見つからない

『アオイちゃんはこんな煌びやかな物じゃなくて、もっと涼やかな方が似合うのに.....』

店に置いてあった物はどれも西洋の影響を受けていて、全て華やか過ぎた

善逸「これは?」

『ここのお花がいらないぃぃぃ』

珍しく声が大きい

『あっ』

周囲の客人や店主が白い目で見ている

まずい

人ではない事がバレてしまう

善逸「Aちゃん、出よっか」

『うん....』

簪を陳列棚に戻し振り返った時

『うわぁ』

女の子らしい歓声に目を向ければ

華やかな装飾が慎ましやかに施された見事な簪があった

善逸「これ、綺麗だね..」

『うん、きっとアオイに似合う..!』

Aちゃんは迷わず手に取り店主の所まで駆けて行った

善逸「あ、」

店主に笑いかけるAちゃんを見ていたくなくて、

目を逸らした先にそれはあった

白樺色の簪

何も施されていない単色の簪

それが、どうしようもなく輝いて見えた

きっとこれはAちゃんのために作られたもの

そう思えるくらいぴったりはまる

善逸「絶対似合うわこれ、命懸ける」

なるべく指紋を付けないように持ち店員に話しかけた


善逸「お待たせ」

『大丈夫、善逸君も贈り物?』

善逸「うん、絶対似合うと思って衝動買い」

『そっか』

誰に?とは聞かないんだなぁ

少し聞いてほしかった気もする


夕刻、蝶屋敷に着いた

『善逸君、今日はありがとう。凄く楽しかった』

善逸「俺も....あの、Aちゃん」

『なに?』

少し緊張するけど

耳を澄ませばAちゃんの心地好い音が聞こえる

善逸「この簪Aちゃんになんだ」

『わ、私!?』

善逸「うん、Aちゃんにきっと似合うと思って。受け取ってくれる?」

『勿論!ありがとう』

Aちゃんは包みから簪を取り出した

『..!!すごく綺麗』

体中に響く優しい音

ゆっくり髪を結い、簪で纏める

一つ一つに目がいく

『どう..かな?』

善逸「..!.......」

『もう一回言ってくれる?』

善逸「..似合いすぎ.....」

Aちゃんが可愛いすぎて頭がおかしくなりそうだ

今すぐ嫁に来て欲しい

18.後日→←16.甘味



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名無し97177号(プロフ) - 物凄く私の好きなのにドストライク!これかも応援してます。!続き気になります!! (2019年9月29日 22時) (レス) id: e9ddd80024 (このIDを非表示/違反報告)
@トマト - 結婚しよ (2019年8月25日 14時) (レス) id: b84b38a155 (このIDを非表示/違反報告)
多雨(プロフ) - 零さん» え、結婚する? (2019年7月28日 20時) (レス) id: 3a7e52d2ad (このIDを非表示/違反報告)
- 私なら秒で嫁いく (2019年7月28日 19時) (レス) id: b9ca4b6036 (このIDを非表示/違反報告)
多雨(プロフ) - 零さん» えっ、超好き、、、 (2019年7月28日 17時) (レス) id: 3a7e52d2ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:多雨 x他1人 | 作成日時:2019年7月19日 21時

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