川村カップル ３【川村壱馬】

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「…ん」


『…ん』









お風呂上がって、髪を乾かして、

先に上に上がってた壱馬のもとに行くと

ベッドで本を読んでた









私がベッドに入ろうとすると

掛け布団をめくってくれた

そして私の頭の下に自分の腕を滑らせた


腕枕をすると決まって壱馬は私の頭を撫でる

これされると眠くなっちゃう






今日はちゃんと話さなきゃって思ってたから、

それ…やめてよ、









『…かずま、』


「…ん？もう眠いんだろ」


『やめて、それ』


「は、なんで」


『壱馬は、進路…どうする？』


「あー、なるほどな」









やめて、の意味が分かったみたいで

撫でるのをやめて真剣な表情になった









「就職する」


『…就職？』


「確定じゃなかったから言ってなかったんだけどさ、」


『うん』


「親父の跡を継ぐ事にした」









体を起こして私をじっと見つめたまま壱馬はそう言った

つられて私も体を起こした





あんまりお父さんの仕事の話をしなかったから

ちょっとビックリしてる


でももう決めたみたい

迷ってない顔してるから









「Aは？」


『私は…、』









自分がどうしたいか決めたはず…


でもここに住まわせてもらってるのに…



壱馬は就職…


私は呑気に…









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