さ よ な ら じ ゃ な い ページ46
「ほんまに…行くんか?」
「当たり前でしょ 笑」
「(むこうでもげんきでね)」
「ありがとう」
花束を抱えたAは、その一言だけ言うと関係者出入口のドアに手をかけた。
…あぁ、ほんまにおらんくなる。
3年しか一緒におれへんかった。
もっと、してあげれることあったのに。
そう思うと、さっき自分の中で決めた「Aを笑顔で送り出す」ということが出来そうにない。
「…なぁ!」
気付けば、何mも先にいるAの背中に話しかけてた。
「俺ら、さよならじゃない」
「うん…」
「また、会える」
「うん…」
「その時はもっと大きくなってるから…だから、」
「もう…離れたくなくなっちゃうじゃん」
「…離れやんでええやんけ」
「また泣かせるようなこと言わないでよ」
そう言って振り返ったAの瞳には、たくさん涙が溜まってて、瞬きをしたらこぼれ落ちそうやった。
「…おいで」
あかんってわかってる。
こんなんしたら、ほんまに離れられへんくなる。
やけど、あんな顔されたら抱きしめる以外の方法が見つからない。
Aはその場に優しく花束を置いて、俺のとこに走ってきた。
「哲人…行きたくないよ…」
「そーやな…」
「もっと、一緒にいたかった…」
「もっと、みんなと、」
「もう喋んなや。大人しく抱かれとき」
これ以上、Aの声を聞いたら泣いてまう。
そう思った俺は、さらに強く、もっとAを感じられるように隙間なく抱きしめた。
「哲人、私、向こうでも頑張るから、だから」
「またここに戻ってきたい」
「…ずっと待ってるから」
「うん…じゃあ、もう行くね?」
するりと俺の腕からすり抜けていくA。
Aを追いかけるようについて行く俺とつば九郎。
花束を拾い、Aはドアに手をかけた。
「ちょいまち」
「ん?」
そっと、Aの背中に手を置いた。
でも、それは俺だけじゃない。
つば九郎もやった。
なんや。同じこと考えてたんか。
A。お前のその小さな背中に
期待と、夢と、希望と、つば九郎からの愛と、そして俺からの精一杯のエールを乗せて。
「…さぁ、行ってこい!!」
「っ!…っしゃぁぁ!!」
A。頑張れ。
__________
((いっちゃったね))
((そやな…))
((…つば九郎、練習行こか))
((もちろんだよ))
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はる。(プロフ) - 彼岸花さん» えぇ!ほんとですか!? もう私、川端選手が掴めなくて掴めなくて...(( ですね!セ・リーグもパ・リーグも頑張って欲しいです! (2018年5月30日 0時) (レス) id: c232380615 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - はる。さん» おっ、嬉しくてニヤケがとまらないでs(( 川端選手とかも出てきて結構悶てたんですよねー。それはそうと交流戦始まりましたね! (2018年5月29日 21時) (レス) id: 87d6fd938e (このIDを非表示/違反報告)
はる。(プロフ) - 彼岸花さん» コメントありがとうございます! 実はここだけの話、次で坂口選手と沢山絡ませようと思ってたんです(コソッ はる。は、テストあと少しです! 更新、もう少しお待ちください! (2018年5月29日 21時) (レス) id: c232380615 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - こんにちは。後編楽しみです!本音を言うと坂口選手ファンなんでたくさん後編で絡ませてくださいね(ボソッ 私は先週ようやくテスト終わりましたね… (2018年5月29日 18時) (レス) id: 87d6fd938e (このIDを非表示/違反報告)
はる。(プロフ) - ファンタオレンジさん» コメントありがとうございます! テストと更新、頑張ります! (2018年5月27日 10時) (レス) id: c232380615 (このIDを非表示/違反報告)
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