愛に飢えていた。【逢坂壮五】 (ページ2)

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壮五side

僕は『休む』という事を経験したことがあまりない。

幼い時から毎日忙しくて、『休む』という事を知らなかった。

今も相変わらず忙しい日々を過ごしてるけど、
昔とは違う『忙しい』日々。

__上手く説明出来ないけど、今の『忙しい』は『楽しい』ような、そんな感じ。

それに

忙しくしてないと_______…

環『そーちゃん、どした？具合悪いの？』

壮五『へっ…あ…環くん…』

突然僕の視界に環くんの顔が入ってきたため、少し驚いてしまった。

壮五『…ううん。少し考え事をしてただけだよ。』

環『…ふーん。そーちゃん、もう4時。そろそろ仕事。』

壮五『えっ！もうそんな時間？！』

慌てて時計を見ると、もう4時になる時間だった。

今日はラジオの収録で、５時には現場に到着しないといけない。

壮五『じゃあ行ってくるね！』

いきなり立ったせいか、軽く目眩がしたが、まだ大丈夫。

あ、そうだ。今日は雨が降るらしいから洗濯物取り込んでもらわなきゃ。

壮五『あっ、環く___』

環『なぁ。』

僕が発言するよりも先に、普段では滅多に見ることの出来ない真剣な顔をした環くんが重ねて言った。

環『…あんた、無理すんなよな。暇があったら休めよな。』

その声は、いつもよりも低く、本気で言っているのだと明らかにわかった。

…心配、されてるんだなぁ。

壮五『…うん、ありがとう。』

そう言って、僕は寮を出た。