▼16-��.共に倒せ、正義の悪魔 side:貴女 ページ46
腕を引けばそれはいとも簡単に刃を通す。
体を捻った攻撃から、勢いはそのままに。
＿＿＿＿＿ｽﾞﾊﾞｧﾝ!!!!
刀特有の斬撃の音も、手元に伝わる斬る手応えも、舞う血飛沫も、すべて。
私達とこの蛇との決着を、証拠づけるものに他ならなかった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿蛇は美しく真っ二つに割れていた。
すたん、と氷の上に着地する。
倒れた蛇の瞳の輝きはもう無い。
完全に事切れていることを確認する。
何らかの干渉がない限り、もうこいつが復活することは無いと思うけど。
「こんなの斬れるようになったんか。しかも綺麗に真っ二つ、な」
「それはシャオロンが弱らせてくれたからだよ、普通刀の刃なんて通るわけないから」
いつの間にか近くに来ていたらしい。氷の上に立って、武器のシャベルを担ぎながらシャオロンは言った。
「案外そうでも無いと思うで？確かに刃の通りに関しては俺のサポートあったけど、そのあとの斬り方はコハク次第やん」
「斬り方……」
改めて蛇の切口を見る。
真っ直ぐ、地面に対して垂直にその胴体は斬られていた。
「剣術はひとらんとあろまさんに叩き込まれてたもんな」
「『モノを真っ直ぐ斬れない限り、刀を扱えてるとは言わない』って？」
「それそれ。お前が何回も言われとったやつ」
刀の斬り方には種類がある。
そのうち、真上から真下に垂直に斬る「真向」という斬り方がある。
一見簡単そうだが、決してそんなことは無い。
普通、素振りで真向を練習すると刀の軌道がブレブレになってしまうのがほとんどだ。
その軌道を真っ直ぐにするためには、両手の力を揃え、力を偏らせないための筋力が必要になる。
対人戦において心臓を真っ二つにするための基本的な技である「真向」は、剣士たるもの必ず身につけなければならない。
それすらできないのならば剣士とは呼べない……というのが、私に剣術を叩き込んだ鬼教官二人の弁だった。
……うん、今でも思い出せるよ、あの地獄みたいな特訓の日々。
「前はあんなへなへなだったのになぁ、成長って怖いもんやな」
「逆に成長してなきゃ、他の人に何言われっか分かんないもん」
「なんや、褒めとるんやぞ？素直に受け取っとけ」
シャオロンはそう言って、雑に私の頭を撫でてくる。
……あんまりぐしゃぐしゃにしないで！
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琥珀(プロフ) - ゼンさん» コメントありがとうございます！ 作品中で主人公さんと一緒に旅してる4人組は、実在するゲーム実況者様をモデルにして書いています。YouTubeやニコ動などで「M.S/SP」と検索していただければ動画が出てくると思います〜！ (2022年4月2日 10時) (
レス) id: 979a30272e (このIDを非表示/違反報告)
ゼン(プロフ) - このきっくん、あろま、えおえおのアニメ？物語の作品名を教えてください (2022年4月2日 2時) (レス) @page11 id: 7e17b8d3e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀 | 作成日時：2020年4月14日 23時
