▼１０α.昔話 Noside ページ47
元帥室から五人分の人影が消えた。
先の未来への警告を残して、彼らはすぐに部屋に戻ってしまった。
元帥室のしんとした静寂を壊したのは、元帥センゴクが拳を机に叩きつける音だった。
「たった五人の平穏も守れずして、何が海兵か……！！」
後悔と苦悶が入り交じったその声は、人の少ない元帥室に静かに響き渡る。
センゴクの声を聞きながらも、ガープとつるは何も語らない。二人ともじっと静寂を貫いていた。
八咫烏の少女が言おうとして、口を閉ざしたあの言葉。
能力持ちに対する、はるか昔から続けられてきたその仕打ちへの謝罪を述べた時、彼女はとてつもなく悲しそうな顔をしていた。
＿＿＿＿＿三人の海兵は知っている。
＿＿＿＿＿海軍が、能力持ちの功績を我がものとして、偽りの振舞いをするその理由。
かつて、能力持ちとそれ以外の人々が、偏見なく共存できていた時代があったこと。
能力持ちが正しく「悪魔から人々を守る者」として認識され、守護者として称えられていた時代があったこと。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿そして、
もう誰も疑問に思わなくなってしまった。
能力持ちが特異な存在として恐れられることが、当たり前になってしまった。
能力持ちは最も力を持つ「人間」だった。
あまりにも彼らは強すぎた。
強すぎたが故に恐れられた。
……恐れられたが故に、遠ざけるしかなかったのだ。
＿＿＿＿＿時は今から約800年前。世界政府が、今の天竜人の祖先である20人の王によって作られた年。
能力持ちの迫害は、その頃から少しずつ進行していった。
世界の頂点に立つ天竜人にとって、強大な力を持つ能力持ちの存在は邪魔以外の何者でもない。
ひとたび彼らが結託すれば、天竜人を皆殺しにすることなど容易いことは分かっていた。
天竜人による統治への反乱因子に彼らが加わってしまえば、それはすなわち天竜人の転落を意味するのだ。
天竜人が統治するのに、それを覆せる力を持つ能力持ちは、天竜人にとってただの恐怖の対象でしか無かった。
だから、消した。
彼らの功績や栄誉や権威を全てなかったことにした。
そしてその全てを、
……そして、嘘偽りで塗り固めた捏造の歴史をもって、能力持ちを「人間の恐怖対象」として仕立てあげた。
そこから先は簡単だった。
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琥珀(プロフ) - Irm?いるみ?さん» 貴重なご意見ありがとうございます！参考にさせていただきますm(__)m (2019年8月25日 20時) (
レス) id: a397407caa (このIDを非表示/違反報告)
Irm?いるみ?(プロフ) - 今まで、MSSのメンバーだけで固定でやって来ているので、個人的にはこのままで最後まで見たい気がします。。。加わってくれるのもそれはそれでおもしろそうなので良いのですが。。。 (2019年8月25日 18時) (レス) id: 5832349e61 (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめる - めっちゃ面白いです!!!!!更新頑張ってください!!!!!!!!! (2019年4月30日 2時) (レス) id: 6f50c84bd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀 x他1人 | 作成日時：2018年3月9日 17時
