～知り合い以上友達未満～【殺戮の天使】 (ページ46)

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44話ページ46

ディアside

「...で、お姉さんに会ったの！」

デ「ふむ....つまりこういうことか。

君は、親に捨てられ施設に入り、ある少年と友達になった。

だが少年は施設の管理者の夫婦を殺害、それを見て、両親の殺害を思いつく。

それから、話し合いの末少年と別れ、

施設の包丁で近所の人を一人殺害し、そいつの護身用だった銃を手に入れ、

とりあえず人気のない裏路地を歩いていたら、私に会ったというわけか。」

ちなみに服の血は、雨が降った際、洗い流れたんだとか。

ふむ、もう人を一人殺害してるとはな。

それを悪びれることなく、両親を殺害しに......か。

いいじゃないか、殺人鬼らしい。

デ「―――なぁ君、天使になる気はないか。」

「え？」

デ「何の躊躇もなく人を殺せる、天使に。」

「人を.....殺す？」

デ「そう。誰でもな。」

「誰でも....か。」

その言葉に、少女は少し考え込む。

私は何とかして納得させようと、さらに言葉をなげかけた。

デ「神に仕える天使なら、何をしようと自由だぞ。

君は人を殺すとき、どう感じた？楽しかったか？」

「......楽しかった。」

デ「なら――――

「―――でも、私は無理。」

デ「...え？」

「私は、ザックを......友達を、殺せないもん。」

デ「....」

所詮、憤怒に溺れる殺人者か。

と言いたい所だが...彼女には、素質がある。

どうしたものか.....

友達を殺せない....か。

　

あ.....そうだ。

　

デ「なら、そのザックと出会わなければ、君はこの話に乗った？」

「多分.....」

デ「なら話は簡単だ。」

「？」

私は、父が剣道で使っていた木刀を棚から取出し、

少女の前で高く振り上げた。

デ「ﾆｨｯ」

「え」

ｺﾞﾝｯ

ﾄﾞｻｯ

一発殴ると、少女はそのまま倒れた。

デ「.....すまないな。こういうのも面白そうなんで、実践させてもらうぞ。

さて、あとは....」

私が思いついたことは、そう。

――――少女のこれまでの記憶を、なくすことだった。