～知り合い以上友達未満～【殺戮の天使】 (ページ32)

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30話ページ32

エ「...それに、君よりあの子のお墓を速く作りたいんだよ？

僕ね......一目惚れなんだ。」

少し照れながら、エディが語り始める。

....マジか。確かにレイは可愛いけど。

エ「いつもいつも、他の人が殺した死体のお墓ばっかり作ってて、ちょっとつまんなかった。

お墓を作るのは好きだけど、中に入れる人間が愛おしくない。

.....そんなの、美しくない。」

『....ふぅん...』

確かにエディには、よく、死体の処理をしてもらってるしな....

エ「あの子には、僕の理想のお墓を作ってあげたいんだ！

たぶんね、年も近いと思うし...何より、彼女の気持ちをわかってあげられる！

想い想われ両想い...！

一方的なぐちゃぐちゃ死体よりも、ずっと綺麗なはずだよ？

あぁ！彼女が望むなら、ぐちゃぐちゃでもいいんだけど」

ザ「気色悪ぃこと言ってんじゃねーよ。」

...そうかな？

エ「え、何が？

君って、僕より随分年上のくせに、女の子に対する恋心もわからないなんて、
本当に野蛮だよね！

僕の美学と彼女はきっとピッタリだよ？

君よりね！

――――だから、僕があの子を殺すんだ」

『....』

エ「ｸｽｸｽｸｽ...」

辺りが一旦暗くなり、エディの笑い声でが、だんだん遠ざかっていくのがわかった。

.....レイのとこに、向かったのかな。

ザ「何が恋心だよ....ガキが色づきやがって、気持ち悪ぃ！」

『...思春期？』←

ザ「おいっ、戻ってこい！」

少し焦りながら、ザックが亀裂に向かって叫ぶ。

『多分、聞こえないと思う。』

ザ「くそっ....どんだけ奥行ったんだよ！」

『....ザック。』

ザ「あ？なんだよ」

『どうしてそんなに....苛立ってるの？』

一応ザックも殺人鬼だ。他人を心配するなんて、普通ありえない。

ザ「あんなクソガキに、出し抜かれてたまるかよ！！

.....それに、今死なれちゃ、困んだよ。」

『.....そう。』

ザックのプライドに、エディの美学。

....それを私が、出し抜けるのかな。

ザ「....A。」

『何？』

ザ「あいつ、こっから入って、右奥に部屋が続いてたって言ってたよな....」

あぁ、そういえば...

『.......保存室の裏側に......当たるかも知れない。』

ザ「行くだけ行ってみようぜ！」

『.....ｺｸｯ』

そう頷いて、走るザックについていこうとした時......

ﾊﾟｻｯ

――――――ポケットから、紙の落ちる音が、微かに聞こえた。