～知り合い以上友達未満～【殺戮の天使】 (ページ30)

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28話ページ30

ザ「俺がここから出られなくなるのは、困んだよ。」

レ「うん....でも、本当に貴方は私を殺してくれる？

私、つまらないから...」

消え入りそうな声で、レイは聞く。

なんで死にたいのかはわからなかったけど......

なぜか、その時、酷く悲しくなった。

....どこか、自分と似ている気がして。

『....でも、なんで、レイは自分で死なないの？』

レ「自殺は、ダメだから。」

ザ「あぁ？なんでだよ。」

レ「神様が....そうおっしゃったから？」

『神様、かぁ...』

ザ「へっ.....神様ねぇ....

ならもっと、俺に殺される努力をしろってんだ。」

レ「どうすれば....？」

ザ「役に立てってことだよ。

そんで、殺されたかったら、もっと面白くしろよ。

こう.......怒ったり、泣いたり....」

そう言われ、レイは、その表情をして見る.....というか、

指で、怒りと悲しみの眉毛を表現しただけだけど。

『これは......うん。』

ザ「....表情の筋肉っつうか....もうお前、お化けってか、死んでんじゃねぇのか。」

『まぁまぁ....そんな役者みたいに、表情を作れるわけじゃないんだし...』

レ「....生きてるから、殺してもらいたい。」

ザ「あー、わかったわかった。じゃぁほら、笑ってみろ。」

レ「...笑う」

レイは、口元だけで微かに、微笑んだ。

レ「......どう？」

...悪くないと思う。

ザ「........目が、死んでる。」

でもそれは、ザックにとっては、とても笑ってる風には見えないのかな....

レ「そう....駄目ね。」

『...私は、悪くないと思う。』

素直にレイに感想をつげる。
もともと可愛い子だしね。目が死んでなきゃ、もの凄く可愛いと思うけど...

レ「....ありがとう。」

ザ「しょうもねぇことに時間使っちまったな....

こっちは水ん中で冷てぇし、気持ち悪ぃんだ。」

レ「....ｺｸｯ」

一人でさっきの亀裂の所に向かうレイに、気づけば、勝手に声をかけていた。

『.....レイ。』

レ「....？」

こっちを振り向くレイ。

次の自分の言葉は、意外な言葉だった。

『.......行ってらっしゃい。気を付けてね。』

いや、オカンか。←

よくわからないけど、私は、笑ってたのかもしれない。

ザックは少し驚いてこっちを見てた。

え、そんな変な顔してるかな？

レ「...うん」

そういつもと変わらぬ返事をして、レイは行った。

――――――その顔は、少し、笑って見えた。