～知り合い以上友達未満～【殺戮の天使】 (ページ26)

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24話ページ26

レイがいなくなって、私とザックは二人きりになった。

ザックには合わなすぎる静かな場所に、ザックがいるのは、ちょっと可笑しかった。

ザ「探すっつっても、こんな場所、墓しかねぇだろ。」

『そうだね....』

ザ「つーか、この墓マジでうざってぇな。」

『...壊したら？』

ザ「もちろんぶっ壊してぇが...あいつの言う通り、こっちの刃が駄目になっちまう。」

『.....向こうに、ツルハシがあったよ。』

ザ「ツルハシ、か...」

ザ「ﾆｨｯ」

これならいいだろ、というように、ザックはﾆﾔﾘと笑う。

ｶﾞﾝｯ

ザックは、ツルハシで墓石を叩く。

....けど、それは、思ったより硬いようだった。

軽く叩きつけた程度じゃ壊れないのか....

ザ「硬ってぇ！」

『......』

そういえば、睡眠薬残ってないかな....

ザ「雑な墓石のくせに、頑丈に作ってんじゃねぇよ！」

....ないや.....

ｶﾞﾝｯ

ｶﾞｧﾝｯ

『.....でも、眠い。』

目を閉じれば、寝れるかも....

ｶﾞｧﾝｯ

ザ「ハハハハッ！！やってやった！」

『......ｽｩ.....』

*

ん....？ここは？

起きたのは、ある家の庭....だろうか。

「ねぇ、お姉さん、何してるの？」

『え？』

話しかけてきたのは、茶髪の10歳くらいの女の子。

.......私にちょっと似てる？

いや、まさかぁ。

『えっと....わかんない。迷子。』

「迷子！？

じゃぁ、お姉さん、名前は？私が道聞いてあげる！」

『華野、A。』

「え.....？

それって―――」

ザ「おい！何寝てんだ、お前！」

『.....ん.....』

あ、夢.....

ザ「.....起きろ、A」

『！ﾊﾞｯ』

今、初めてザックが名前で呼んだ.....そう思って、飛び起きた。

.....初めて....

『初めてじゃ、ない、気がする....』

ザ「何がだよ。」

『.....別に、何でもない。

って、え？』

起きて周りを見渡した瞬間、私は目を疑った。

元々私はレイの墓によりかかって寝ていたのだが、
それ以外の墓が、全部壊されていたのだ。

レイの墓を壊さなかったのは....私が邪魔だったのか、
レイが言ったことを守ったか....

まぁ、どっちでもいいだろう。

そんな時、レイが帰ってきた。

レ「....何、これ。」

ザ「遅いんだよ！何してんだ！」

レ「『...こっちが聞きたい。』」

レ「....？Aは、ザックを見ていたんじゃ...？」

『ごめん、寝てた。』

ザ「.......で？何かあったか？」