～知り合い以上友達未満～【殺戮の天使】 (ページ24)

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22話ページ24

死体によって“現実”を突きつけられた私は、迷っていた。

.....そろそろ、演技にも疲れた.......

ダニーのフロアで寝ている間、私は、これまで何をしていたかを見た。

このポジティブな性格も、レイチェルやザックのことを知っているのも....

全部、夢で見たからだ。

....でもさすがに、その時の私の気持ちは分かんなかった。

夢ってのは大体、自分が主人公の視点になったりするけど、

私は第三者目線で、私とレイチェルを見ていたから。

....そこの分の記憶、もう全然ないから、ダニーがいてくれて助かった。

『......』

ザ「おい、もうさみぃから出るぞ！」

レ「.....うん。」

沈黙の中、保存室を出ると、今度は反対側に進んでいった。

レイが言うには....“第一墓場”らしい。

*

第一墓場に入ると、予想通りの墓だらけの場所。

ただ、気になるのは、奥の、無駄に真新しく大きいお墓と、その手前の削りかけのお墓だった。

第一墓場に入った途端、レイチェルは、真新しい墓石に吸い寄せられるように、近づいて行った。

ザ「あ？どうした、何が書いてあるんだ。」

レ「名前....」

ザ「墓石なんだから当たり前だろ。何、驚いてんだよ？」

そう、そんなことはレイチェルでもわかるだろう。

でもそこには、レイチェルやザックが“生贄”である象徴があるはずだ。

レ「.....私の、名前.....私の名前が書いてある.....」

.....ほらね？

ザ「...そうかよ。」

まぁ、普通なら、字が読めない私とザックがわかるはずもなく。

ザ「...じゃぁ、この作りかけの墓は俺のかぁ？」

『多分、そうだと思う...』

ザ「ったくよぉ、ここは悪趣味で気持ち悪ぃやつばっかだな。

こういうの苛々すんだよ。ぶっ壊してやりてぇ。」

レ「...先に武器の方が欠けちゃうよ。」

ザ「うるせぇな、わぁってるよ。」

『私のお墓は......ないね。』

レ「時間がなかったんじゃないかな...」

ザ「つぅか、いつまでも墓石眺めてんじゃねーよ。

悪ぃが、テメェと一緒に死ぬ気はねぇんだよ。

手当たり次第に出口を見つけてさっさと―――」

『ん？』

レ「.....向こうの隙間から、風が吹いてる。」

レイが言う隙間が気になり、私は中を覗き込んでみる。

『....確かに妙だね。結構奥まで続いてるようだし.....

入るにしても、ザックや私は.....無理か。』

レ「.....私が行ってこようか？」