＊ ページ8
?「実は出られないんです。」
「え…何で…」
?「申し遅れました、俺は絵の国の王。タピアです。」
「国と言っても一人しか…」
タピア「元々人は少ない国でしたが、最近続いている紛争で６年前こっちにも反乱軍が来て、俺だけが生き残りました。」
６年前って、ちょうど私が仕事で悩み始めた頃だ…
やっぱり、ジョナ達の言ってることは正しいのかな…
「そんな…」
タピア「絵の国の人々は、満月の夜だけ絵の外に出られる。だけど、この世界の満月は自由人で五年は外に出てないなぁ。」
「てことは、一人ぼっちで絵の中に？」
タピア「はい。貴方が来てくれて嬉しいです。」
頬を上にあげて優しく微笑む。
私はなぜか心が悲しくなった。
「私が話し相手になる!!タピアは泣いてる顔より笑ってた方がいい!!」
タピア「嬉しい(泣)」
また泣いてる(笑)
「泣き虫なんだね(笑)タピアは…」
タピア「そ、そんなことない!!国の王なんです、そんなことで泣いていたら務まらない。」
堂々と話してるけど、泣いてたからね？(笑)
見た目は男前で背が高くてクールそうなのに、寂しがり屋で泣き虫なんて…
なんだか大きな赤ちゃんみたい。
ジョナのめんどくさいってのはこう言うこと？
「へぇ〜?」
タピア「な!?笑わないでください!!」
色んな事を話して、少しわかったのは、やはりこの世界は私の妄想で出来てるってこと。
私は絵画が大好きで、だから絵の国があるのかなって…
まぁ偶然だと思うけど…
そして夜になり。
_ｷﾞｭﾙﾙﾙ
やば、恥ずかしい///
タピア「お腹すきましたか？」
「そういえば私、この世界来てからなにも食べてない…」
タピア「死んじゃいますよ!!なにか食べないと。」
タピアは紙とペンを持ってきて、パンを描きだした。
タピア「これ持っててください。」
「あれ、紙は絵の外に出れるの？」
タピア「出れないのは人間だけなんです。」
タピアは少しだけ俯いた。
６年間も一人ぼっちで外に出られないなんて、タピアは強いんだなと私は感じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きりん。 | 作成日時：2017年3月3日 19時
