金魚鉢 ((黒)) (ページ7)

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『あーもう分かったから話聞けって』

いつまでも茶化し続けるふたりを真っ赤な顔で宥めて黙らせる。

「くふふ、あ、そうやなんか用やったん？」

『おん。…山の上のプラネタリウム、もしかしたら取り壊されるかもしれへんって』

「あの？」

『もう、子どもらもスマホとかテレビゲームとかばっかやし、あんま来おへんからって』

「あー、それはあるなあ…」

お客さんを待つふりして3人の話に聞き耳をたてていた。

わたしも1度だけ行ったことのあるプラネタリウム

古いしホコリだらけだし別に最先端なわけじゃないけど

満点の星空を見て感動したことは覚えてる。

『俺、なんか取り壊されるん嫌やってさ、署名集めてるねんけどあんま集まらへんねん』

「まあせやろなあ。みんな行かへんし」

「俺、すきやけどな。サボってよお行ってる」

「堂々と言うな」

『まあ何でもええけど手伝ってくれへん？』

さらっと言い放った王子の顔は、汗をかいていないように見えた。

うーん、絵本の中の人物かな

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「やって、Aちゃん」