金魚鉢 ((黒)) (ページ13)

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次の日、いつも通りに出勤すると珍しく大倉さんが出勤していた。

「おはようございます。大倉さん珍し」

「横山くん来るしAちゃん取られるやん」

「仕事はちゃんとしますよ」

「いや、横山くん来たらそっちが優先」

これ、先輩命令なと釘を刺された。

益々横山さんとはどんな人なんだろうと思ってくる。

まさか、あんな顔して怖いのか

いやでも、こんな適当なふたりが懐いてるからそんなことは無いはず、

そんな少し失礼なことを考えながら、わたしも彼らに倣ってお弁当の準備を始めた。

今日の担当は卵焼きからスタートだった。

今日はご飯を詰めて横に漬物をつけるだけだったから、大倉さんがやってしまっていたの。

10回くらい焼いて、冷めてきたものから切っていく。

その間にひとつだけつまみ食い。

だって作ってたらお腹すいちゃうからね。

そうしてできあがったものを詰め、ポテトサラダ作りに入る。

ほくほくのじゃがいもを見るのがすきだった。

じゃがいもを見てたら何だか安心するの、

茹で上がったじゃがいもを押し潰そうとしたとき、扉が開いた。

『おはようございます～』

やっぱり彼は王子の風格で、とてもきらきらして見えた。