turn 6 ページ6
「何してるの、今は」
『うーん、ふらふらしてるかな』
曲作ったり、絵を書いたり、たまに働いて
そう言いながら、捲っていたパーカーの袖をおろしてみせた。
『自由を履き違えてるって、分かってるんやけど…どうにも、集団に属せへんくて』
この世はどこでもグループに分かれていて
少数派は殆どの場合が邪魔な存在になる。
できすぎても、できなさすぎてもだめ
程々にできて、たまに弱いところも見せないと
あっという間に、グループから放り出されてしまうわ
『だから、尊敬するよ君のこと』
それ、とカバンから顔を出していた手帳を指さす。
『そんな、付箋パンパンに貼って、手にもボールペンのあとがいっぱい。』
「あ、…」
不格好なのが恥ずかしくて、わたしはそっとそれらを隠す。
『隠さんでよ、せっかくのかっこよさなのに』
「でも、頑張ってるからってできるわけじゃない」
『まあ、そうやけど』
また、わたしは唇を噛む。
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・
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『でもできないって認められるのは、君が頑張ってる証拠やろ。
その頑張りを認められない世界なら、その世界は君がいるべき所じゃない』
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kanon110630(プロフ) - 私もしキラキラしていた頃を思い出しながらこの作品を読ませていただきました!すごく、心に残ったので初めてながらコメントさせて頂きました。 (2020年8月20日 1時) (レス) id: 62a508c8ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆいな | 作成日時:2019年11月12日 16時