階段 ((青)) (ページ16)

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turn 16 ページ16

久しぶりにあのライブハウスの前に立った。

やっぱり中からは賑やかな声が聞こえてきてて

その場にいなくても、楽しさが伝わってくる。

｢おねーさん、入るん？｣

チケットをぴら、と見せられて、わたしは思わずそれを購入してしまった。

章大が出るかどうかさえ分からないのに。

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分厚い扉を開けてすぐ、ちかちかと色とりどりのライトがわたしを照らす。

それに若干目を細めながら、わたしはステージを見つめた。

｢…あ、｣

そこには、あの日と変わらない彼の姿があった。

…眩しいな、

変わらず、章大は輝いていた。

きっと大勢の観客の中、一番後ろのわたしのことなんか見えてないんでしょうね

でも、それでもいいよ

君のきらきらを、見ることができたから。

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一番後ろで、彼を見つめて

わたしは、大きく手を振った。

いち、にい、さん

たった3回だけ。

章大は、気づかなかった。

でも、もういいの

もう一度分厚い扉をあけて、外に出た。

さっきの青年が、びっくりした顔でわたしを見てた。

｢もういいんすか？｣

｢うん、あのね。章大、に伝えて欲しいんだけど｣

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｢わたしも、きらきらするからねって｣

fin.