君にクロユリの花束を【東海オンエア】 (ページ6)

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離れ離れりょうページ6

死ネタです

りょうside

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砂利道を歩く。

右手には、花束と線香。左手には水を入れたバケツ。

りょう「会いに来たよ」

話しかけるのは、君の名前が刻まれた墓石。

Aは、3年前に交通事故により即死だった。大きなトラックに轢かれて。

俺は墓石に丁寧に水をかけながら話しかける。

りょう「最近、忙しくて来れなくてごめんね。」

水をかけ終わり、墓石の前にしゃがむ。

りょう「…Aは、楽しく暮らせてる？」

りょう「俺は、めちゃめちゃ楽しいよ。」

墓石に笑いかける。

りょう「Aもいたら、もっと、楽しかったのかな」

俺は涙をこらえる。でも、溢れ出て止まらなかった。

りょう「ごめん。泣きたいのはAだよね。」

俺は涙をぬぐい、花束を花差しに入れる。

りょう「ほら、Aが好きだった花だよ。」

君は、今喜んでくれてるのかな。

りょう「…もう、行くね。」

りょう「…A、愛してるよ。これからも、ずっと。いつまでも」

ふわりと暖かい風が俺を包む。

なんとなくAが笑ってる気がした。

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