君にクロユリの花束を【東海オンエア】 (ページ2)

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そして、抱きしめられたまま私はスマホをいじる。てつやに画面が丸見えでも別に気にしなかった。

てつ「ねぇ、俺と居るのにほかの男と連絡とらんでよ」

彼氏面されてもてつやには怒れない。むしろ嬉しく感じてしまう。

貴方「仕事のラインだよ…。」

てつやは納得いかないような顔で「ふーん」と言い離れた。急に背中がひんやりする。

貴方「どこいくの」

てつ「彼女にライン返すの忘れてたから」

そう言いスマホを持ち、ソファへ座るてつや。

貴方「…私といるのに、ほかの女と連絡せんでよ」

小声で呟いたが、てつやには聞こえてない。まるで反応がない。楽しそうにラインをしている。

私は自分の服を着て、帰る準備をする。

てつ「あれ、もう帰んの？まだ時間あるけど」

貴方「帰るよ。…ばいばい」

てつ「わかった、じゃあ、また」

ドアを閉めると、涙が出そうになるのを必死にこらえた。

私は毎回ばいばいと言う。サヨナラの意味を込めて。

でも、サヨナラを出来たことがなかった。

おそらく私はまた来週、てつやに呼ばれて、同じ悲しみを味わうのだ。

てつやへの気持ちが重くて離れられないから。

好きなの、てつや。

サヨナラ。

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意味深な終わり方ですが、これは読んだ方それぞれの解釈で、お楽しみください。