私、失敗しないので

Dr. 88 ページ39

看護師は気にせず続けて話している


「あの女の子だって治せないって言ってた足を治してあげたんですもん！」



え、



貴『女の子･･･？』



「忘れたんですか？？大門先生がこの前手術をした7歳の女の子、 誰も治せないって言った病気を大門先生が引き受けて手術成功させた子です！」



7歳の女の子･･･


手術不能と言われたのを私が治した･･･




私が･･･？？





「その女の子つい最近退院しましたね、大門先生に治してもらえて良かったと言ってました！！」



貴『最近退院した！？？』



「？？はい！何驚いてるんですか〜、先生はまだ来てませんでしたけどちゃんとお見送りしたんですよ？？」




そうだっけ･･･あれ、違う･･･なんでこんなに引っかかってモヤモヤするの

治ってこんなに元気なら良いじゃない

こんなに？？？
女の子が誰か知ってるの私？･･･いやわかんないよどういうこと･･･



「でも聞いてくださいよ大門先生」


急に声色が低くなったその看護師に、我に返された


「私夢見たんですけどね？

女の子が手術に成功した後、元気に退院したけど

その帰り道"交通事故にあった"って

夢なんですけどね、これがもし現実だったら酷かったですね、だって大門先生あの後すぐ


"交通事故で女の子を庇って死んじゃいました(････････)から"」



貴『なっ！？』



死んだ、死んだ！？どういうこと


「夢ですって〜！」


呑気に言っている看護師は少し顔が歪んでる･･･

いや違う、この世界の空間自体が歪んでるんだ！




「先生･･･、大丈夫ですか？」


貴『だ、だいじょ』


ﾎﾞﾜｯ！！！！

！？！？

なんか急に体が萌えだしたんだけど！

あれ、何この服･･･なんでチャイナ･･･しかも刀あるし



「先生！！？？」


炭「自分の首を斬れっ！！A！！！

戻ってこい！」




隣にいないのに耳元で聞こえたその声で、一気に記憶が戻った･･･


ありがとう炭治郎･･･


「先生、その服はなんですか？何故刀を･･･」



ごめんね、ごめん




貴『こんなに大きく育って』


この看護師の正体が、私があの時助けた女の子なんだ、時間軸違うけど

女の子には額に傷があった、そしてこの看護師にも


貴『覚えてるよその傷、貴方だったんだね･･･』



「･･･、はい。」


さっきより幼い顔になったんだけど



「大門先生、2度も救っていただいてありがとうございます。ごめんなさい」


泣きながら笑みを浮かべたその子に手を振って

思いっきり首を斬った

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