となりの天然。[平野紫耀]

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「一緒に帰ろ！」



『うん、帰ろー』



となりに並んで歩く帰り道。
なんか、くすぐったくて。
ドキドキもしてて。




体育祭の日に告白した。
よろしくお願いしますって言ってくれて。

めっちゃ舞い上がってて
毎日ハッピーすぎてやばい。


もうほんまに、すごい嬉しいんやけど




今、おれがしたいこと。


それは、





手を繋ぐこと。



付き合うとか初めてやから
どんな風にしたらいいか、まったくわからへん。



聞いた方がいい？
そうやんな、嫌かもしれへん。

しかもおれの手、汗できたないかも…
あーどうしよ…



『あ、信号赤になる！』


Aちゃんがいきなりそう言って。
おれの手をつかむと、
信号が点滅してる横断歩道に向かって走り出す。



なんとか間に合って。
2人で息切らしてる。


ていうか、手…！変な汗かきそう…
でも嬉しくて。


Aちゃんが、手を離したから
寂しくなって、思わずもっかい握る。



『…え、』



「…繋いでたい。あかん？」



『…あかんくない。』


俯いてそう言うと、ぎゅっと握りかえしてくれて。


顔、赤い。きっとおれも。



ゆっくり歩き出す。
変に意識しちゃって、歩き方変かも。


『…平野くん？』


「なに？」


『わたしも1つお願いしてもいい？』


「う、うん。なに？」





『…どっか行きたい。…デートしよ？』



「…！う、うん！いこ！！」





どこ行く？おれアイス食べたいー
えーまたアイスー？
なんて話しながら






離れないように、
ぎゅっと手を強く握りしめた。









fin.

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