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「なにやら二人、お話に興じているご様子。ここは大人しく退散と参りましょう」
「それは残念!ウェルカムドリンクだけでもご褒美です!!ところで柘榴、黒曜の兄貴はどうしたの?迷子かな?」
「誰が迷子だって?」
ヒエッ。
背後から重くのしかかる声に全私が死んだ。威圧感がありすぎるよお…。
ペシッと軽い音を立ててメニュー表が私の頭の上に着地。人の頭をバランサーにするってどういうこと??私の顔が平たいって言いたいのかこの野郎。
「てか、何で柘榴までいんだ?今日はフロアの担当じゃねえはずだろ」
「ええ。わたくしもそのつもりで、今日はモクレンの強制参加レッスンを終えたら帰路につく予定ではありましたが…。真珠の体調が悪いからと、リンドウに代役を頼まれまして」
「あー、日曜日の柘榴が珍しいのはそのせいかあ。普段なら居ないもんね」
私の推しは柘榴とチームCだけど、スターレスがそもそも好きなので時間が空けばいつでも来る。推しがいるかいないかは別として、ぶっちゃけ誰に会えても嬉しくなってしまうのがオタク。浮気?チガウヨ。皆好きなんだヨ!
「ほらよ。金剛が暇してる間にどんどん頼め」
「黒曜さんのおすすめってありますか?」
「あ?今週はこの…」
気づいたら早希さんの話し相手を黒曜ニキに取られていたので、必然的に私と柘榴が相対する形になった。兄貴仕事人すぎない??愛してるわ。
「A様のご注文は?宜しければ、わたくしもおすすめメニューなど」
「今日の柘榴のファンサが効きすぎてて逆に怖い。私は明日死ぬ。おすすめメニューください!」
「ええ、畏まりました」
土下座する勢いの私を軽く受け流し、店の奥に消えた。
どうでもいいけど、私の文脈から逸れまくった意味不明な本音が声に出ちゃったのをスルーしてくれるの、凄い助かる〜〜。慣れられちゃったみたいだけど、初対面のキャストとかだと何を言ってんだこいつみたいな表情が隠しきれてなくて、死ぬほど申し訳なかった。ごめん本音漏らしちゃうオタクでごめん…。
私がそうやって会話を成り立たなくさせるようなことを言っても律儀に突っ込んでくれるキャストナンバーワンが兄貴。そして華麗にスルーして全く気にしないのが柘榴。
「A様の奇行…失礼、変わった行動は今に始まったことではなし、気にする者もだいぶ少なくなったのではないかと。これも時間の賜物というもので」
「フォローする気ないでしょ。奇行って言ったの聞こえたからな」
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満月もなか(プロフ) - 初めまして、作品大変楽しく拝読致しました(*´ω`*) ヒロインの性格とノリが素敵で、キャストたちとの軽快な掛け合いがめちゃめちゃ面白かったです…!楽しい時間をありがとうございました(*´ω`*) (2021年1月10日 1時) (レス) id: f3ce0de81f (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 続きが気になる (2020年10月8日 19時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
楼莉(プロフ) - れど。さん» 初めまして!コメントありがとうございます。柘榴推しなのでつい書き始めちゃったんですけど、想像以上に口調難しくて頭抱えてます笑。柘榴の小説が増えることを願って!!今後も頑張って更新していきます!! (2020年3月26日 17時) (レス) id: bb9032df8a (このIDを非表示/違反報告)
れど。(プロフ) - 初めまして、読ませていただきました。ブラスタ夢はちょこちょこあるのに柘榴がいなかったので最高に俺得です(鼻血)柘榴の口調を再現できるのはマジ尊敬に値する!これからも更新楽しみにしています。ゆっくり気長に頑張って下さい!小並感な文失礼いたしました。 (2020年3月25日 20時) (レス) id: be06a2cb6f (このIDを非表示/違反報告)
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