持ち腐れ少女【名探偵コナン】

本心 ページ2

ここに持ち腐れ少女がいた。
少女の名は幸。
観察力と洞察力を兼ね揃え且つ犯人が事件を起こす前に見つけ出してしまう程の人離れした能力を持っていた。
だが少女はその能力を持っていながら、家族を守る為だけに使っていた持ち腐れ少女なのだ。
そんなある日のこと。
幸の妹、美咲が言った。

「ねぇねはどうして探偵やらないの？」
「ぐっ、どうしてそんなこと言うんだ」
「だってねぇねが探偵をやったら絶対事件が起こる前に捕まえることが出来るのに…ねぇねはそれをしようともしないじゃん、だから探偵業とか始めてさ！事件を解決しようよ！そしたら生活も安定すると…思う！」
「なんの根拠もなしにそんなこと発言するもんじゃありません、誰か聞いてたらどうするんだ」
「別に聞かれたっていいじゃない！この国のシャーロック・ホームズなんだからさ！あ、それとも"探偵が〇すぎる"の方かな？」
「はいはい、あまりドラマの題名を言わないの、後私はシャーロック・ホームズでもそのドラマの探偵でもない、ただの一般人」
「むー…じゃあ、今怪しい人とかいる？」
「うーん…今のところは居ないな…あ」
「？どうしたの？」
「いやなんでもない」
「えー！教えてよー！」
「私の家族に危害を加えない奴ならどうだっていい、でも…」
「でも？」
「やっぱなんでもない」
「またー？？ねぇ教えてよ〜！ねぇね〜！」
「なんでもな〜い」

これが少女の本心。
少女は家族に危害を加える者がいれば即座に解決するが自分には関係の無い者なら放っておく、それが少女のやり方なのだ。
この持ち腐れ少女は救えるものは救わず、近くにある大切なものは必ず守るのだ。
そんなことが出来たはずなのに少女は家族を失ってしまう。

家族の消失→←持ち腐れ少女

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す