居場所をくれた貴方達。[wrwrd] (ページ22)

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私が忘れたい過去。ページ22

この時、思えばまだ15歳。

まだとはいっても売られた理由はわかる。両親の金欲しさなんだろう。

雨が止み、日が上り始めたとき、気付けば寝てたようで顔を上げた。
上げれば心配そうな表情で顔を覗き込む男がいた。この男がクレイ。
クレイの家は私の街から離れた街で、部屋を貸したりして優しくしてくれた。
私は一生懸命働いてた。クレイの家の部屋を貸して貰っててそこで暮らしてた。

その暮らしが数年続き、私は19歳になっていた。
そんなある日、嫌な日を思い出す雷雨でクレイは帰ってきて私にこういった。

｢お前の両親がいる。引き渡せば大金が入る、行ってこい。｣って。

…みんな金欲しさで私を売るんだ。でも、戻りたくない。
戻りたくない、『戻りたくない！』
つい、口から零れた言葉。

クレイは不満げな顔をして舌打ちをすれば私の首を掴んで、絞めた。
そのまま怒鳴り散らして殴られる。

いきなり豹変するクレイは愚痴愚痴いいながらナイフを持ってきた。
腰が抜け、そこに涙を流しながら座り込む私はその場に固まった。

｢育ててやったのにその仕打ちはなんだ？そんな低脳は不要だ。｣

そういえばクレイは私にナイフを振り下ろした。
咄嗟に目をつむり、その瞬間まで待った。
でも、いくら待っても振り下ろされない。

カミナリがなって光り、

｢大丈夫か？！｣

そんな声がして、ナイフが落ちたような音がした。
そこで、私は意識が途切れた。