ぞっこん【宮侑】 (ページ4)

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再会は突然に③ ページ4

「お待たせ致しましたー」

店員さんがコトンとお皿を置いてくれる。
結局私は散々迷った末に治くんと同じパンケーキを選んだ。侑くんは、これもまたとっても美味しそうなナポリタン。

「うわ〜、すごい！美味しそう！」

いただきます、とナイフとフォークを使ってパンケーキを切っていく。
ふわふわしてる表面にメープルシロップをかけると、甘い匂いが漂った。

「すごいね、これ、イチゴもついてるんだ」
「ここは､､､もぐもぐ、赤木さんのおすすめスポットやからな」

治くんが説明してくれる。
というか、今、もぐもぐって言った､､､？
可愛いな。

「赤木さん？」
「バレー部の先輩や。俺らが2年だったときのリベロ」
「あっ、ああ！」

あの黒髪の人か！
旭さんのスパイクやサーブも、変人速攻もすごくよく拾ってて、印象に残ってる。

「二人は推薦入学？」
「俺はそうやけど、サムはちゃうよ」

侑くんが答える。
そっか、治くんはバレー大学でもやらないんだ。
ちょっと寂しいけど、しょうがないよね。
代わりに治くんが作ったご飯食べればいいか！

「俺は調理学科やから」
「すごいね、私魚とか捌ける気がしないや」
「慣れると楽しいんやけどな」

魚の目がね､､､ちょっと苦手で。
でも、料理人って、嫌いな食べ物とかってあるのかな？
人間だし、あるのかな、やっぱり。

「好きな食べ物は？」
「メシ！」

メシ。
白米って意味なのか、はたまた料理全てという意味なのか。

「侑くんは？」
「んー、トロとか、あと無難にカレーも好きやで」
「わかる！」

よかった、侑くんは具体的に答えてくれた。

「二人はモテるでしょ？いいよねえ」

頬杖をついてそう言うと、侑くんは

「喧し豚ばっかりやねん」

と言った。
や、喧し豚って､､､。女の子にそんなこと。

ちなみに言うと、私はモテたことはない､､､と思う。
告白された事がないかというと嘘になるけど、だいぶ物好きな人だったんだと思う。一人きりだったしね。

「Aちゃんはちゃんと喋れるから、過ごしやすいわ」
「そんなに！ちゃんと喋れすらないの！？」

恐ろしい、そのモテ力。

「ちゃんと喋れんっていうか、うるさいねん」
「へえ､､､」

次元が違う。私が一緒にいていい相手なのだろうか､､､。

ーーなんだか、今日はまるで嵐みたいな日だな。