ぞっこん【宮侑】

ビッグニュース ページ27

東京オリンピック・パラリンピックが無事に終了した2021年。

結婚してから2年が経ち、すっかり生活にも慣れた。




今日は、侑くんの誕生日。

でも、誕生日なんて関係なく練習はあるわけで、今日は朝から練習試合に出かけていた。



「ただいまー」
「あ、おかえり！」



夜、私がご飯を作り終わるごろに、侑くんが帰ってくる。

「お疲れさま、今日は豪華だから、楽しみにしててね」
「おん、ありがとお。､､､､､､むっちゃええ匂い」

くんくんと鼻を動かす侑くん。
今日の夜ご飯は、侑くんの好きなものばかりだ。


でも、その前にひとつ、言わなきゃいけないことがある。



「あのね、侑くん。ひとつビッグニュースです」

「､､､？おん、何？」


私のかしこまった口調にすこし拍子抜けしたような侑くん。
ふたりで向かい合って椅子に座る。









「､､､､､､､､､､､､､､､侑くんは、パパになりました」









「､､､､､､､､､は」

信じられない、と言いたげに、目を丸くする。
　


「ーーほんまに？」



声が震えていた。


「うん」


私が頷くと、侑くんは立ち上がって、私の方に歩いてきた。
私も同じように立ち上がると、侑くんは私のお腹を優しく撫でる。

「､､､､､､ここに、おるんか」
「そう、ここにいるの」
「やばい、泣きそう」
「へへ。サプラーイズ」

おどけたように笑いかけると、侑くんは私を抱きしめた。




「､､､､､､､､､ありがとう、ほんまに、ありがとう､､､」





絞り出したようか声は、涙声で、震えていて。




「､､､､､､っ、うん、私も、ありがとう」




私の涙腺が緩んで、目を涙の膜が覆う。





侑くんに、いつか生まれるだろうお腹の中の君。




一生大切にするからね。

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