ぞっこん【宮侑】 (ページ3)

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再会は突然に② ページ3

カランカラン､､､

カフェのベルが心地よい音を奏でる。
大学の近くにあるお洒落目なカフェ。
東京､､､というか、都会慣れしていない私にとっては、もはや未知の領域である。

「サム、お待たー」
「ん、おそいで、ツム。もうサンドイッチとパンケーキ食べてもうた」
「早ぁ」

もぐもぐと咀嚼しながら話す宮治。
侑くんは金髪だけど、宮治は銀髪ではなく黒髪だった。

「これ、この子や。Aちゃん」
「おっ、ほんまや！烏野マネ！」
「はじめまして」

ぺこり、と一礼すると、向こうも笑いかけてくれた。

こ、これが宮ツインズのガールズキラー光線､､､！

烏野にはなかった都会のきらきらした雰囲気の男性二人に囲まれ、多少戸惑っていると、侑くんが椅子をすすめてくれたので、恐縮した。

「なんやっけ？Aちゃん、名字は？」
「柳です」
「ほーん」

向こうから聞いてきたはずなのに、興味なさげに頷く治くん､､､って呼んでいいのかな。
まあAちゃんって呼んでるから、あんまり関係ないしね。

「なんか、こういうお店、久しぶり」
「そうなん？」
「うん。高校の同級生はみんな離れちゃったから、友だちいなくて。だから、侑くんが誘ってくれてよかった！」

感謝の気持ちを表すために微笑む。
侑くんがいなかったら、もしかしたら大学4年間ぼっちで過ごしていた可能性も､､､ないと思いたいけど。

「へえ〜。あ、Aちゃん何頼む？クソサムはもう食べ始めてるからなぁ」

にや、と侑くんが治くんの方を向くと、治くんは

「ええねん。勉強の一環やから」

と言った。

「勉強？」
「俺、将来はメシの仕事したいと思っとるから」
「あ、そうなんだ！」

ご飯､､､！確かに、いい仕事かも。
おいしいご飯を食べて、不幸せになる人なんていないし、人を一番幸せにできる仕事なのかもしれない。

「､､､､､､､､､Aちゃんは、おかしいって思わん？」
「え、なんで」
「いや､､､。今までバレーやってたから、バレー続けないの、もったいないってめっちゃ言われてん」

あ、ああー。
そういうことか。
うん、たしかに、治くんはバレーボールすごく上手だし、続けても十分プロとして活躍できると思う。

ーーでも。

「ぜんぜん思わないよ！私もバレーやめた身だしね。それに、私のまわりでも、バレーを高校で辞めた子は結構いるし！」

「､､､､､､､､､おん。ありがとう」

フッと治くんが笑った。
夢を追いかける人の顔は、誰でも綺麗なものだ、と思った。