ぞっこん【宮侑】

お誘い ページ20

「なあ、Aちゃんて、東京タワー行ったことある？」
「えっ？」

侑くんがぐでーんと食堂の机に体重を預けて、私に目だけ向けた状態で言ってきた。
東京タワーか､､､。
東京に来て早くも半年経とうとしているけど、考えてみたら観光とかはしたことなかったかも。

「ないよ」
「俺も〜」
「でも、高い所ってなんか楽しいよね」

二年生の春高の時、初めて見た東京タワーに夕と龍が興奮してたなぁ､､､､､､と思い出して、少し笑いが漏れる。
これぞ東京！って感じで、テンション上がるのはわかるんだけど。

「今度行かへん？」
「いいよ」

大歓迎です。
誘ってもらえるの、すごく嬉しい。

「ほんまに？嬉しいわー」

侑くんは未だにぐでんとした格好だから、あんまり格好ついてないけどね。

「次のバレー部の休みっていつなの？」
「ちょっと待ってぇな」

侑くんがスマホを操作する。

「休日やと、来週の土曜やけど､､､､､､Aちゃんその日行けるん？」
「うん、基本休日暇だし！」

三分の一くらい、課題に追われてるんだけどね､､､。
でもここ最近はレポートとかの提出もないし、大丈夫なはず。

「何で行く？電車？」
「私免許は持ってるんだけど、車買ってないからなあ
､､､､､､。電話でいい？」
「ええよ、んじゃ、今夜予定立てようや」
「うん！」









楽しみだな。









私は小さくひっそりと、スマホの予定帳に『デート』と書き込んだ。

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